共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

社会的フィードバックの学習促進効果に関する心理学的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
21K13744
体系的課題番号
JP21K13744
配分額
(総額)
1,820,000円
(直接経費)
1,400,000円
(間接経費)
420,000円

人間の学習は他者の表情やジェスチャーなどの社会的刺激から影響を受ける。これまでの研究では、社会的刺激によるフィードバック(社会的フィードバック)が、行動を強化する報酬として機能し学習を促進することが実験的に示されている。ただし、このような社会的フィードバックによる学習促進効果は、課題やフィードバック刺激の性質によって消失もしくは減退する可能性が懸念されている。そこで本研究では、社会的フィードバックによる学習促進効果がどのような要因の影響を受けるか明らかにすることを目的とする。
1年目にあたる令和3年度は、表情の写真をフィードバック刺激として、学習課題の難易度が社会的フィードバックの学習促進効果に与える影響を明らかにする予定であった。このとき研究対象とする学習課題は、刺激と正反応の対応を学習する連合学習課題や一連の項目の順番を学習する視空間運動系列学習課題を想定している。しかし、この検討を行う以前に学習時の脳活動に関する知見や実験の刺激設定に関わる知見が十分ではなかった。そこで、予備的に①潜在的な視空間運動系列学習における脳活動と②実物体の特徴の組み合わせを記憶するときの知覚特性に関する検討などを行った。その結果、①視空間運動系列学習の進行に伴い、刺激の視覚情報処理に関わる注意要求が減少することを、学習中の脳領域間の神経同期から捉えることができることや、②複数物体の視覚的特徴と位置の組み合わせを正確に覚えるのに必要な観察時間などに関する知見を得た。①の研究成果については論文としてまとめ、国際的な学術雑誌に投稿した。②に関連する研究成果についても順次発表していく予定である。
また、2年目にあたる令和4年度にジェスチャー刺激によるフィードバックの学習促進効果に関して調べる予定であったが、令和3年度にはその準備として、フィードバックとして用いる刺激を3Dアニメーションで作成した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K13744
ID情報
  • 課題番号 : 21K13744
  • 体系的課題番号 : JP21K13744