MISC

筆頭著者
2017年12月

障害者の総合支援を目的としたヘルシー弁当の開発

名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報
  • 川瀬 文哉
  • ,
  • 佐藤 春菜
  • ,
  • 五十嵐 安澄
  • ,
  • 冨安 由紀子
  • ,
  • 内田 かおり
  • ,
  • 塚原 丘美

9
開始ページ
31
終了ページ
38
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
名古屋学芸大学健康・栄養研究所

愛知県内の社会福祉法人内就労継続支援B型事務所では、障害者の総合支援のため、弁当事業を行ってきた。しかし、施設に支援員として栄養士は配置されておらず、弁当事業を通じた十分な就労支援および販売数の増加に至っていない状況であった。この度、障害者の総合支援のため、弁当を改善することを目的とし、我々が献立作成、弁当箱の開発およびパッケージデザインの提案を行ったので報告する。弁当の献立作成は調理しやすく、作業工程も少なくするために、副菜は「和える」「煮る」を中心に献立を考え、和えるための複合調味料の考案に努めた。さらに利用者と喫食者の双方への食育を考えて主食・主菜・副菜を揃えた。パッケージデザインは食育に役立つように食材を三食に色分けしたデザインとし、弁当箱は個々に応じた作業を行うため、主食、主菜、副菜(野菜)3品で構成した5品がセパレートボックスになっている組み立て式弁当箱を開発した。献立提供前後の献立を無作為にそれぞれ10日分抽出し、栄養素量と食品群別重量の比較を行ったところ、献立提供後、エネルギー、炭水化物、脂質、食塩相当量は有意に改善された。食品群別重量では、野菜類は有意に増加した。我々の介入により弁当の栄養バランスは適正化した。さらに、献立のばらつきは低下した。障害者の就労支援、食育を目的とした弁当のプロデュースを行い、弁当の栄養バランスの適正化、栄養素および食品群別重量のばらつきを低下することができ、ヘルシー弁当としての付加価値をつけることができた。ある利用者から調理スキルの向上にポジティブな意見も聞かれ、利用者の総合支援に結びつく可能性が示唆された。(著者抄録)

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/120006867841
URL
http://id.nii.ac.jp/1095/00001284/
ID情報
  • ISSN : 1882-1820
  • 医中誌Web ID : 2018307275
  • CiNii Articles ID : 120006867841

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