2013年
スナメリとハセイルカの遊泳運動の理解を目的とした解剖
霊長類研究 Supplement
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- 巻
- 29
- 号
- 0
- 開始ページ
- 151
- 終了ページ
- 151
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.14907/primate.29.0_151_2
- 出版者・発行元
- 日本霊長類学会
鯨類の遊泳運動の仕組みの解明を目的に解剖学的研究を行った.<br> 水の中で推進力を得るためには,力を水に伝えなければならない.鯨類は,尾を含めた体幹の筋肉によって力を生みだし,腱によって椎骨に伝えて尾を動かし,主に尾ひれによって力を水に伝え,推進力に変化させる.したがって,この研究においては体幹の筋肉・その腱・脊柱・尾ひれを調べることが重要であり,その結果生み出される推進力を予測できる.<br> 今回われわれは,ストランディングおよび混獲により死亡したスナメリの成体1体・幼体~亜成体5体とハセイルカの成体 2体を検体とした.ハセイルカ Delphinus capensisはマイルカ科マイルカ属に属し,浅瀬より深い海を好む活動的なイルカで,比較的速くて直線的な運動が特徴的である.スナメリ Neophocaena phocaenoidesはネズミイルカ科スナメリ属に属し,沿岸の浅い海域に生息するイルカで,半径の小さな背腹方向の旋回や回転が特徴的である.これらの検体の全身の CT撮影を行い,筋肉の付着部・重量・線維の走行,腱の起始・終止の位置および短径・長径,椎骨の形,尾ひれの形の調査を行った.また,生化学的手法を用いた筋線維の分析も行った.そして,筋肉の最大張力,筋線維の分布,腱と筋張力の関係を求めた.<br> その結果から,遊泳運動を行う鯨類の特徴及び,ハセイルカとスナメリの違いが明らかになった.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.14907/primate.29.0_151_2
- CiNii Articles ID : 130005471494