共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年 - 2006年

学校給食における食物アレルギーの疫学研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)
  • 今井 孝成

課題番号
17790687
配分額
(総額)
3,300,000円
(直接経費)
3,300,000円

目的 平成17年に食育基本法、栄養教諭制度が施行されたことで、俄かに学校給食における食物アレルギー(以下FA)の問題が注目されている。しかしこれまでの報告ではその対策が不十分なのが現状である。この原因として、FAに対する学校関係者の認識不足が一因と考えられるが、それらを示す報告はこれまでない。そこで今回は学校関係者のFAや食育に関する意識調査を行い、その実情を明らかとし今後の対策の方向性を探る。
方法 (社)全国学校栄養士協議会の協力で、同会会員の学校栄養職員を介し全国の小中学校の校長、栄養職員、養護教諭(以下養教)、教諭に対してFAおよび食育に関する調査を行った。
結果 新潟県を除く全国46都道府県で協力を得られた。報告書の作成時点で集計途上にあり、途中結果を示す。校長1,968名、栄養職員1,749名、養教464名、教諭2,351名を対象とした。FAに対する認識は4段階(よく知っている、知っている、あまり知らない、判らない)の選択肢で、"知っている"以上を選んだのは校長、栄養士、養教、教諭が順(以下の結果も同順)に95.2%、98.5%、98.3%、91.5%であった。学校におけるFA対策状況の把握は82.3%、95.2%、88.1%、58.4%の割合で把握されていた。FAに関する職員間の認識は61.4%、49.4%、55.2%、52.6%の割合で高いと認識されていた。アナフィラキシー(以下An)は39.6%、95.6%、98.1%、46.3%の割合で認識されており、エピペンは14.1%、58.1%、38.1%、6.2%の割合で認識されていた。
考察 FAに対する認識には職種間で差がなく高く、学校における問題点としては浸透していた。しかし実際のFA対策の把握状況などは職種間でばらつきがあり、未だ対策が十分であるとはいえない。この中で学校栄養職員のFAに対する認識は他の職種に比べ高く、特にAnやエピペンの認識度での差は著しかった。
臨床的意義 学校現場でFAに関する表面的な認識はすすんでいるが、実際の対策は不十分であることが判明した。学校のいけるFA対策の推進において、学校関係者のFAに関する実体認識を深める対策を並行する必要がある。