2015年4月 - 2019年3月
10~13世紀東部ユーラシア仏教史の構築に向けた基礎的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究においては,仏事法会を主たる手掛かりとして契丹(遼)仏教の後代における影響および継承の実態を考察した。仏事法会を介在させた王権の強化・荘厳は契丹と元において顕著に認められる。契丹の仏事法会では「菩薩戒」,元の仏事法会では「具足戒」と,両者ともに仏戒を重視していた。契丹・元というふたつの遊牧系国家において仏戒は王権を強化・荘厳する重要な媒体として位置付けられていた。元代にひとつの完成を見た世俗君主による仏戒伝授の主導は,契丹時代の影響のもとに現出したと判断できるのである。
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- 課題番号 : 15K02919