原子核構造が見せるミュオン捕獲反応
RCNP研究会「ミューオン原子核捕獲反応による原子核関連研究の可能性」
- 開催年月日
- 2022年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 茨木
- 国・地域
- 日本
ミュオンは電子の約200倍の質量をもっている素粒子の一つである。その重い質量のため、ミュオン原子軌道は電子軌道よりも小さい半径で原子核を周回し、マイクロ秒のオーダーで陽子と反応して、中性子とニュートリノの終状態になる。反応エネルギーのほとんどはニュートリノが持っていくが、その一部は原子核にも残され、励起状態になった原子核は中性子を放出して安定な原子核に戻る。ミュオン捕獲反応から始まるこの一連のプロセスを利用して、様々な物理現象を見ようとする試みが行われているが、ミュオン捕獲反応を通して原子核に与えられるエネルギー量を理解するためには、その原子核の構造が重要になってくる。本講演では、原子核の構造がミュオン捕獲反応に与える影響を解説するとともに、捕獲後の中性子のスペクトルについて議論をする。