当院整形外科にて初回人工股関節全置換術が施行された変形性股関節症患者23名を対象に、前方系アプローチと後方系アプローチの違いが術後早期の身体機能に与える影響について検討した。前方アプローチ、前外側アプローチを前方系アプローチ群(前方群)13名(男性4名、女性9名、平均68.0±10.0歳)、後側方アプローチを後方系アプローチ群(後方群)10名(男性2名、女性8名、平均68.5±10.5歳)に分類し、術前後の歩行能力と身体機能について評価した。患者背景、10m歩行時間やTimed Up & Go test、疼痛、筋力回復率は2群間に有意差を認めなかった。股関節可動域では、後方群において前方群と比較して術後の外旋可動域のみが有意に低値を示していた。