論文

査読有り
2019年9月

広角AOSLOを用いた錐体細胞の直接撮影によるAZOORの経過観察

視覚の科学
  • 宮川 雄
  • ,
  • 広田 雅和
  • ,
  • 山口 達夫
  • ,
  • 雜賀 誠
  • ,
  • 森本 壮
  • ,
  • 不二門 尚

40
3
開始ページ
55
終了ページ
60
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
出版者・発行元
日本眼光学学会

急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)は網膜外層の視細胞が変性することで急性に視力低下や視野欠損を来たす疾患であり、また数ヵ月で急速な回復がみられることもある。既存の装置では異常所見を正確に捉えることができないが、補償光学レーザー検眼鏡(AOSLO)を用いれば錐体細胞の変性を観察できることが報告されている。今回我々は(株)トプコンの試作型広角AOSLOにより、8ヵ月にわたるAZOORの経過観察を行った。対象は左眼にAZOORを発症した44歳女性である。全体像を把握する低倍率(視野角21度)と、錐体細胞を詳細に観察する高倍率(同1度)で毎回同様の撮影を行い、さらに錐体細胞密度を計算した。結果、AZOORに伴う眼底の異常所見とその回復過程を明瞭に捉え、錐体細胞密度の増加を確認できた。今後AOSLOが普及すれば、AZOORのような疾患の経過に対する理解がより深まるものと期待される。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0916-8273
  • 医中誌Web ID : TA15300004

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