2017年6月 - 2022年3月
進化のゆらぎ応答理論の確立と多階層・発生過程への展開
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
(i)表現型進化の方向性と拘束の理論:触媒反応ネットワークモデルを用いて、大自由度の表現型が進化により低次元に拘束されることを固有値スペクトル解析で明らかにした。さらにそれにより進化の方向が拘束されるがその一方で新たな環境への進化が加速されることを示した。また遺伝子制御ネットワークそして統計力学のスピングラスモデル、またタンパクのデータを用いて、この進化的次元縮減が普遍的であることを示した。
(ii)階層進化理論:原始細胞においてその分子数がある程度以上になると遺伝と機能を担う分子の役割が対称性の破れで生じる、つまり分子生物学のセントラルドグマが出現することを発表した。次に細胞と細胞集団の階層では細胞が有用成分をもらすことで多種共生が生じること、最後に個体ー社会の階層に対してはゲーム理論による搾取構造の形成を示し、さらに未開人類社会での婚姻構造の形成を明らかにした。
(iii)進化発生対応の理論:発生過程と進化過程の対応関係において、遅く変化する遺伝子発現の意義を調べた。特にエピジェネティック過程を考慮して、発生過程の安定性(homeorhesis)の現れる仕組みを明らかにした。また倉谷班との共同で発生砂時計仮設をサポートするシミュレーション結果を得た。
[藤本G]完全変態昆虫のサイズ進化の法則(各種の最終体重は臨界体重に比例)を発見した。ボディプラン(器官の数と空間配置)の進化発生対応では、被子植物の左右対称な花の多様性を包括する発生特性を数理モデルから予測した。加えて、動植物のボディプランに揺らぎを見出した。基部双子葉植物の花器官配置では、らせん状と同心円状の2型のみが同種内で共存し、この拘束された種内多型は発生過程に起因することをモデルから示した。刺胞動物のイソギンチャクでは、器官配置の左右対称性と放射対称性の種内多型を、配置過程の計測を通じて見出した。
(ii)階層進化理論:原始細胞においてその分子数がある程度以上になると遺伝と機能を担う分子の役割が対称性の破れで生じる、つまり分子生物学のセントラルドグマが出現することを発表した。次に細胞と細胞集団の階層では細胞が有用成分をもらすことで多種共生が生じること、最後に個体ー社会の階層に対してはゲーム理論による搾取構造の形成を示し、さらに未開人類社会での婚姻構造の形成を明らかにした。
(iii)進化発生対応の理論:発生過程と進化過程の対応関係において、遅く変化する遺伝子発現の意義を調べた。特にエピジェネティック過程を考慮して、発生過程の安定性(homeorhesis)の現れる仕組みを明らかにした。また倉谷班との共同で発生砂時計仮設をサポートするシミュレーション結果を得た。
[藤本G]完全変態昆虫のサイズ進化の法則(各種の最終体重は臨界体重に比例)を発見した。ボディプラン(器官の数と空間配置)の進化発生対応では、被子植物の左右対称な花の多様性を包括する発生特性を数理モデルから予測した。加えて、動植物のボディプランに揺らぎを見出した。基部双子葉植物の花器官配置では、らせん状と同心円状の2型のみが同種内で共存し、この拘束された種内多型は発生過程に起因することをモデルから示した。刺胞動物のイソギンチャクでは、器官配置の左右対称性と放射対称性の種内多型を、配置過程の計測を通じて見出した。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H06386
この研究課題の成果一覧
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論文
11-
Zoological letters 7(1) 12-12 2021年9月6日 査読有り責任著者
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Journal of plant research 134(3) 457-473 2021年5月 査読有り責任著者
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Development (Cambridge, England) 148(4) 2021年2月26日 査読有り最終著者責任著者
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Biophysical journal 118(10) 2549-2560 2020年5月19日 査読有り最終著者
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Frontiers in Ecology and Evolution 8 2020年3月27日 査読有り責任著者
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Development (Cambridge, England) 147(3) 2020年2月4日 査読有り最終著者責任著者
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iScience 20 348-358 2019年10月25日 査読有り
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Chaos (Woodbury, N.Y.) 29(9) 093120-093120 2019年9月 査読有り最終著者責任著者
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Developmental cell 48(1) 64-75 2019年1月7日 査読有り
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Current biology : CB 28(13) 2115-2128 2018年7月9日 査読有り最終著者責任著者