2005年 - 2009年
大脳皮質介在ニューロンの移動・配置と領野特異性の形成
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(S)) 基盤研究(S)
大脳皮質を構成するGABA作動性の局所回路ニューロンの大部分は大脳基底核原基で生まれた後、大脳皮質に移動する。皮質内の最終的な位置に到達するまでには複雑な経路をたどるものと予想される。これらの細胞は接線方向への移動により大脳新皮質の中間層に到達した後に、放射状方向に移動方向を変え、辺縁層に至る。これらの細胞はその後、再び接線方向に移動することにより皮質内で広がったのち、脳室層に向かって再び放射状の移動をすることを見出した(Tanaka et al., 2004)。そこで考えられる可能性として、異なる領野に配置されるニューロンはもともと異なった性質を有し、異なるルートを辿って移動していくのではないかというものと、領野によるGABAニューロンの性質に違いはなく、辺縁層に到達したニューロンはランダムに皮質全体に広がった後、皮質板に向かって降りてゆくという可能性がある。後者の場合、後天的にその性質(領野によって異なるものへと)が変化する可能性がある。これらの可能性を検討するため本年度は大脳皮質を構成するGABA作動性ニューロンの起源の一つである内側基底核原基にDsRed遺伝子を電気穿孔法により導入することにより、MGE由来のGABA作動性ニューロンの振る舞いをこれらの細胞の発達後期、すなわちマウスが生まれる前後の時期に観察した。その結果胎生18.5では多数の標識細胞が辺縁層に分布して...
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- 課題番号 : 17100005
- 体系的課題番号 : JP17100005