2019年4月 - 2022年3月
古代メソアメリカにおける初期国家成立と環境変動
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は、従来のメキシコ古代史研究に対し、新たに火山噴火を始めとする環境変動資料を通詞的データとして提供し、古代メソアメリカ文明における初期国家形成史を解明することを課題としている。
研究実施計画に則り、2019年度はメキシコ合衆国プエブラ州のチャウトラ湖においてボーリング調査を実施し、土壌コアを湖底から採取した。この土壌コアの観察とレントゲン写真撮影後に分析用試料を取り出し、古気候復元のための鉱物分析を米延仁志氏(鳴門教育大学)、湖沼環境復元のための珪藻分析を鹿島薫氏(九州大学)、火山灰同定を檀原徹(株式会社京都フィッション・トラック)の下でそれぞれ実施した。また、トラランカレカ遺跡における人口増と都市の拡大過程を解明するための層位的発掘調査の準備作業の一環として、2020年度調査予定地に隣接し、2016年と2018年に既に実施したトラランカレカ遺跡北東部の住居址区域における層位的発掘調査の出土遺物分析をおこなった。2020年度から2022年度にかけては上述の土壌サンプルから取り出した植物遺存体と炭化物による放射性炭素年代測定を大森貴之氏(東京大学)の下で実施中である。
ボーリング調査および土壌サンプル分析の結果、火山噴火による降灰を含む層位及び、ラハールによる再堆積の可能性のある層位を含有していること、珪藻の種類とその増減から湖沼環境の形成と変化が明らかになり、火山活動と湖沼環境の変化に関連性がみられるという成果が得られた。また、トラランカレカ遺跡出土遺物の分析により、トラランカレカ遺跡北東部の調査対象区域では一般住居区域が従来の都市を拡張する形で営まれていたという従来説を再確認することができた。なお、研究成果の一部は学会等で発表した。
研究実施計画に則り、2019年度はメキシコ合衆国プエブラ州のチャウトラ湖においてボーリング調査を実施し、土壌コアを湖底から採取した。この土壌コアの観察とレントゲン写真撮影後に分析用試料を取り出し、古気候復元のための鉱物分析を米延仁志氏(鳴門教育大学)、湖沼環境復元のための珪藻分析を鹿島薫氏(九州大学)、火山灰同定を檀原徹(株式会社京都フィッション・トラック)の下でそれぞれ実施した。また、トラランカレカ遺跡における人口増と都市の拡大過程を解明するための層位的発掘調査の準備作業の一環として、2020年度調査予定地に隣接し、2016年と2018年に既に実施したトラランカレカ遺跡北東部の住居址区域における層位的発掘調査の出土遺物分析をおこなった。2020年度から2022年度にかけては上述の土壌サンプルから取り出した植物遺存体と炭化物による放射性炭素年代測定を大森貴之氏(東京大学)の下で実施中である。
ボーリング調査および土壌サンプル分析の結果、火山噴火による降灰を含む層位及び、ラハールによる再堆積の可能性のある層位を含有していること、珪藻の種類とその増減から湖沼環境の形成と変化が明らかになり、火山活動と湖沼環境の変化に関連性がみられるという成果が得られた。また、トラランカレカ遺跡出土遺物の分析により、トラランカレカ遺跡北東部の調査対象区域では一般住居区域が従来の都市を拡張する形で営まれていたという従来説を再確認することができた。なお、研究成果の一部は学会等で発表した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K01108
- 体系的課題番号 : JP19K01108