2009年10月
BCG接種後の遷延するリンパ節腫脹から診断された慢性肉芽腫症の1例
日本小児科学会雑誌
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- 巻
- 113
- 号
- 10
- 開始ページ
- 1564
- 終了ページ
- 1567
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公社)日本小児科学会
生後5ヵ月のBCG接種後に、接種した側の腋窩リンパ節腫脹を認めた1歳2ヵ月男児症例について検討した。腋窩リンパ節腫脹は接種後6ヵ月を経ても縮小傾向なく、徐々に腫大したため、1歳時にリンパ節生検を行った。病理検査の結果、乾酪壊死を伴う類上皮肉芽腫を認め、BCG後のリンパ節炎と診断した。しかし、リンパ節炎はBCG後も遷延していることから、好中球の活性酸素産生能を測定した。発熱や肛門周囲膿瘍などの易感染性は認めなかったが、好中球の活性酸素産生能の低下を認めた。さらに、glycoprotein 91 phox(gp91phox)発現欠損とcytochrome b、beta subunit(CYBB)遺伝子変異を認め、gp91phox欠損型慢性肉芽腫症(CGD)のde novo例と診断した。BCG後の遷延するリンパ節腫脹の際にはCGDを念頭に置き、好中球活性酸素産生能検査を行うことが重要であると思われた。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0001-6543
- 医中誌Web ID : 2010061261
- CiNii Articles ID : 10026276276
- CiNii Books ID : AN00192248