2009年3月
同一遺伝子異常を持ちながら臨床型が異なるALD兄弟例
小児科臨床
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- 巻
- 62
- 号
- 3
- 開始ページ
- 457
- 終了ページ
- 461
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)日本小児医事出版社
副腎白質ジストロフィー(ALD)は、中枢神経や副腎をおかすX連鎖劣性遺伝病で、ABCD1遺伝子の異常により起きる。症例は9歳男児で3歳時から精神遅滞を認めた。8歳から精神運動退行を認め、MRIで前頭葉優位の白質病変、極長鎖脂肪酸の上昇を認めALD小児大脳型と診断した。遺伝子検査にてABCD1遺伝子のミスセンス変異を認めた。その後半年で急速に症状が進行した。19歳の兄も3歳時から精神遅滞を認めていた。MRIで後頭部優位の白質病変を認めた。今回弟と同一の遺伝子変異を認め、軽度の運動症状とABR、VEP異常、極長鎖脂肪酸の上昇があるため、ALD思春期大脳型と診断した。同一遺伝子異常を持ちながら病型やMRI進行所見が異なるのは、ABCD1遺伝子とは別の因子が病態に影響しているためと考えられた。また兄弟ともに3歳時から精神遅滞があり、ALDの早期発症、緩徐進行型や別のX連鎖精神遅滞合併の可能性が推察された。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0021-518X
- 医中誌Web ID : 2009118780
- CiNii Articles ID : 40016448489
- CiNii Books ID : AN00116148