2021年4月 - 2024年3月
衝突の統計に基づく棒状粉体のダイナミクスの解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
衝突の統計に基づいて,棒状粉体により構成される流体のタイナミクスを理論的に記述することを目指している.2021年度は,単純な系として,散逸がない棒状粒子の運動をシミュレーション解析し,球状粒子の衝突統計を理論解析した.
シミュレーションについてはイベントドリブン型のものを実装する計画だった.しかし,必要とされるシステムサイズで計算することが困難だと分かり,運動方程式を逐次解くアルゴリズムを実装した.得られたアルゴリズムで衝突時間間隔の分布や衝突による重心速度・角速度の変化の分布といった衝突統計を得た.さらに,棒状粒子の運動を特徴付ける時間相関関数を得た.これらを高精度に得るために,2021年度に経費で購入したワークステーション及び研究室のクラスター計算機を用いて大規模計算を実施した.
理論については衝突統計に基づいて球状粒子の運動を解析した.2020年度に導出した粒子の衝突時間,衝突角度,衝突相手粒子の速度に関する同時生起確率にBurshtein-Krongauzの更新過程の方法を適用した.得られた結果を気体分子運動論の理論結果と比較して妥当性を検証した.
以上の過程で,シミュレーションと理論双方で予想外の発見があった.シミュレーションに関しては,棒状粒子の拡散性が数密度に対して非単調に変化することを発見した.この振る舞いは,球状粒子とも溶媒中の棒状粒子とも異なっており統計力学の観点から興味深い.理論に関しては,空間的に均一な球状粒子気体の拡散がある条件下で長時間に渡って非ガウスになることを見出した.この振る舞いは,過冷却液体,アクティブマター,高分子のような空間的な不均一性や分子の異方性を内在する流体でのみ発現すると考えられていたためインパクトは大きい.得らた成果を,国内学会で2件,国際学会で1件(Pacifichem)発表した.論文投稿も予定している.
シミュレーションについてはイベントドリブン型のものを実装する計画だった.しかし,必要とされるシステムサイズで計算することが困難だと分かり,運動方程式を逐次解くアルゴリズムを実装した.得られたアルゴリズムで衝突時間間隔の分布や衝突による重心速度・角速度の変化の分布といった衝突統計を得た.さらに,棒状粒子の運動を特徴付ける時間相関関数を得た.これらを高精度に得るために,2021年度に経費で購入したワークステーション及び研究室のクラスター計算機を用いて大規模計算を実施した.
理論については衝突統計に基づいて球状粒子の運動を解析した.2020年度に導出した粒子の衝突時間,衝突角度,衝突相手粒子の速度に関する同時生起確率にBurshtein-Krongauzの更新過程の方法を適用した.得られた結果を気体分子運動論の理論結果と比較して妥当性を検証した.
以上の過程で,シミュレーションと理論双方で予想外の発見があった.シミュレーションに関しては,棒状粒子の拡散性が数密度に対して非単調に変化することを発見した.この振る舞いは,球状粒子とも溶媒中の棒状粒子とも異なっており統計力学の観点から興味深い.理論に関しては,空間的に均一な球状粒子気体の拡散がある条件下で長時間に渡って非ガウスになることを見出した.この振る舞いは,過冷却液体,アクティブマター,高分子のような空間的な不均一性や分子の異方性を内在する流体でのみ発現すると考えられていたためインパクトは大きい.得らた成果を,国内学会で2件,国際学会で1件(Pacifichem)発表した.論文投稿も予定している.
- ID情報
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- 課題番号 : 21J21725
- 体系的番号 : JP21J21725
この研究課題の成果一覧
絞り込み
受賞
7-
2023年10月
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2023年5月
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2022年11月
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2022年9月
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2022年5月
論文
3-
Nihon Reoroji Gakkaishi 52(3) 171-179 2024年6月17日 査読有り招待有り筆頭著者責任著者
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Physical Review E 108(4) 2023年10月13日 査読有り筆頭著者責任著者
-
Physical Review E 107(4) 2023年4月21日 査読有り筆頭著者責任著者