共同研究・競争的資金等の研究課題

2013年4月 - 2015年3月

数理モデル構築を指向した生化学ネットワーク解析環境の実装

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
25104524
配分額
(総額)
3,640,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
840,000円

平成26年度は、平成25年度から実装を行なっていた微分方程式の構文解析アルゴリズムの実装を進め、シミュレーションエンジンの実装を行った。常微分方程式を抽象構文木に変換し、その木構造から生化学反応が本来持っている意味を抽出した。当該年度における実装により、昨年度実装が完了していたMass-Action型の反応に加え、自己増殖型、酵素反応型の生化学反応の判別が可能となった。実装したアルゴリズムにより、生化学反応の判別に加え、反応に関わる分子種として(a)反応物、(b)生成物、(c)酵素、(d)活性化因子、(e)阻害因子の分類も可能となった。上記実装により、文字列からなる微分方程式を入力とし、反応種、反応物、生成物を同定し、生化学反応ネットワークへの変換が可能となった。変換後の生化学ネットワークはシステム生物学における標準記述言語であるSBML(Systems Biology Markup Language)として記述することにより、作成された数理モデルに汎用性を持たせることに成功した。ネットワークの可視化に並行してシミュレーションエンジンの実装も行った。具体的には、SBMLを入力とした微分方程式ソルバの実装を行った。数値積分には陽解法として4次のルンゲクッタ法を、陰解法として台形法の実装を行った。本実装により、生化学ネットワークの数理モデル構築において必須となっていた「生化学ネットワークの構築」、「微分方程式の記述」という2段階の異なる次元でのモデル構築を「微分方程式の記述」という1段階で行うことが可能となった。

ID情報
  • 課題番号 : 25104524