MISC

2015年1月

乳児期に心不全症状を呈した二次孔型心房中隔欠損症の3例

小児科臨床
  • 萩原 友紀
  • ,
  • 古川 岳史
  • ,
  • 重光 幸栄
  • ,
  • 原田 真菜
  • ,
  • 福永 英生
  • ,
  • 大槻 将弘
  • ,
  • 高橋 健
  • ,
  • 秋元 かつみ
  • ,
  • 稀代 雅彦
  • ,
  • 清水 俊明

68
1
開始ページ
113
終了ページ
119
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)日本小児医事出版社

乳児期に二次孔型心房中隔欠損症(secundum atrial septal defect;ASD II)による心不全症状が出現し、診断および治療に至った3例を経験した。3例とも症候化する以前の新生児期・早期乳児期に心臓超音波検査を施行されていたが、ASDIIの診断はなされておらず、症候化した後に診断に至ったが、既に治療を要する状態であった。症例1は体重増加不良を、症例2は繰り返す喘鳴や肺炎を呈していたが、ともに外科治療により速やかな症状の改善が得られた。症例3は体重増加不良に高度の肺高血圧を合併していたが、肺血管拡張薬の3剤併用療法により外科治療に至り、術後の肺高血圧、体重増加はともに改善している。ASD例で乳児期に心不全症状を呈することは稀であるが、哺乳不良、体重増加不良、呼吸障害、喘鳴や感染の遷延などを認めた場合は、乳児でもASDに留意し精査を行う必要があり、適切な診断および治療が児の良好な予後および発育につながると考えられた。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0021-518X
  • 医中誌Web ID : 2015140062

エクスポート
BibTeX RIS