福島第一原子力発電所から放出された$^{133}$Xeの北半球規模の移行挙動解析
日本原子力学会2016年春の年会
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- 開催年月日
- 2016年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 仙台
- 国・地域
- 日本
福島第一原子力発電所の事故で大気中に放出された放射性物質の移行挙動は、福島第一原子力発電所を含む数百から1000km領域においては明らかになってきている。一方、半球規模における移行挙動に関しては、いくつかのグループが試みているものの、定量的な再現性評価には到達していない。本研究では、広域シミュレーションにおける課題であった粒子数不足を大規模並列計算により改善し、日本領域から全球まで一貫した移行挙動解析および放出源情報推定を目的としている。まず、沈着過程を考慮する必要のない希ガス($^{133}$Xe)について、世界版緊急時環境線量情報予測システムWSPEEDI-IIで大規模並列計算手法を用いた北半球規模の解析を行い、移流拡散プロセスの妥当性を確認した。また、$^{133}$Xeの放出量に関しては、想定される範囲での放出開始時間や継続時間の差異による広域シミュレーション結果への影響は少なく、現在得られている測定データでは放出期間の特定は困難であることを確認した。