論文

査読有り
2004年5月

世界版緊急時環境線量情報予測システム(WSPEEDI)の改良,1; 新しい数値モデル,大気力学モデルMM5とランダムウォークモデルGEARN-newの結合

Journal of Nuclear Science and Technology
  • 寺田 宏明
  • ,
  • 古野 朗子
  • ,
  • 茅野 政道

41
5
開始ページ
632
終了ページ
640
記述言語
英語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.1080/18811248.2004.9715527

国外の原子力事故によって放出された放射能の国内の公衆への影響を予測するために、世界版緊急時環境線量情報予測システム「WSPEEDI」が開発されてきた。WSPEEDIは、3次元風速場診断モデル「WSYNOP」と粒子拡散モデル「GEARN」によって構成されている。この従来版WSPEEDIの短所は以下の通りである。(1)多様なスケールを持つ複数の領域についての同時計算が不可能である。(2)大気境界層の取り扱いが単純であり、混合層の時・空間変化が考慮されていない。(3)降水の3次元構造が湿性沈着過程に考慮されていない。これらの問題を改善するため、複数領域の詳細な気象場を同時に予測して粒子拡散モデル「GEARN-new」に提供することが可能な大気力学モデル「MM5」が導入された。この改良版WSPEEDIを検証するため、1986年にチェルノブイリ原子力発電所で発生した事故への適用計算が行われた。地表$^{137}$Cs濃度の計算結果と測定値を比較したところ、ヨーロッパ域での放射能の拡散が精度よく再現されたことが示され、改良版WSPEEDIの妥当性が確認された。

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DOI
https://doi.org/10.1080/18811248.2004.9715527
Scopus
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URL
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ID情報
  • DOI : 10.1080/18811248.2004.9715527
  • ISSN : 0022-3131
  • SCOPUS ID : 3142643041

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