共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

ガンの温熱療法への応用を目的とした磁性ナノ粒子の自己配列化と発熱特性に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K03991
体系的課題番号
JP18K03991
配分額
(総額)
3,510,000円
(直接経費)
2,700,000円
(間接経費)
810,000円

本研究の目的は,強磁性ナノ粒子の自己配列化およびこれが高周波交流磁場中における粒子の発熱におよぼす影響を明らかにすることである.2020 年度は前年度に引き続き,直流,交流,および直流・交流複合磁場中において酸化鉄ナノ粒子が形成する自己組織化クラスター構造を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し解析した.ナノ粒子は水に分散しているため,これを蒸発させた後に観察する.したがって電子顕微鏡による観察の場合,水が蒸発する際に発生する対流の影響が避けられない.そこで光学顕微鏡により水を蒸発させることなく粒子のクラスター構造を観察するための実験システムを新たに構築した.高周波交流磁場を印加しながら観察を行う場合,顕微鏡のレンズは磁場によって発熱しないようコイルから十分離れていなければならない.そこで観察には長距離顕微鏡を用いることにした.また,本実験システムのために交流磁場発生用のコイルを新たに設計した.光学顕微鏡は電子顕微鏡に比べて倍率は劣るものの,溶媒を蒸発させる必要が無く,また粒子のクラスター形成過程も観察することができるという利点がある.今後は本実験システムにより外部磁場中のナノ粒子のクラスター構造を観察し,これまでの電子顕微鏡観察結果との比較・検討を行っていく.またブラウン動力学シミュレーションによる解析も前年度に引き続き行った.実験と同様に直流,交流,および直流・交流複合磁場中における磁性ナノ粒子分散系のクラスター形成および磁気特性を解析した.直流磁場の強度,交流磁場の振幅,直流・交流磁場の成す角などを変化させ,これらパラメータがクラスター構造および磁気特性におよぼす効果を明らかにした.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K03991
ID情報
  • 課題番号 : 18K03991
  • 体系的課題番号 : JP18K03991