共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2025年3月

BrexitによるEU在住イギリス人の市民権と市民意識の変容

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
20K02145
体系的課題番号
JP20K02145
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円
資金種別
競争的資金

昨年度取り組んだ日本とEUのFTAとBrexitの影響に関する論文が収録された、Brexitの影響についての特集号(International Studies)が4月に発表された。
今年度もCOVID-19の影響で海外調査を実施できなかったため、海外の研究者とオンラインで研究交流を行う中で、政府の感染対策とそれに対する国民の反応について日本・ヨーロッパ(フランス・ドイツ・ポーランド・ハンガリー・ギリシャ)・北米(カナダ)・アジア(中国・台湾・タイ・カンボジア)の10カ国にのぼる研究者によびかけて、国際比較研究のための英書出版を企画した。8月にオンライン研究発表を行い、編者として原稿をとりまとめた。コロナ危機では自由で民主的な国でも政府が感染対策のため国民に行動抑制を強いたが、国民は政策をどのように考えて行動しているのか民主主義の観点から研究した。これは本研究にとって2つの点で有益であった。①イギリスでは外から来る移民の制限を訴えてEU離脱派が支持を集めたが、不確実な状況では国民が何に基づいて判断し行動するのか考えることにつながった。②COVID-19感染拡大は、ボーダーレスなヨーロッパに再び国境管理をもたらし、感染状況の違いにより各加盟国の判断がEUの共通政策よりも重視されていることを明らかにした。BrexitはEUからコントロールを取り戻す決断をしたBrexitに続いて、EU法違反が指摘されるポーランドやハンガリーでも離脱が懸念されているが、同国の研究者と交流することで国内事情への理解を深めることができた。
市民権については、若者の政治参加について論文を執筆した。またフランス教育学会シンポジウムで、フランスで起こったムハンマド風刺画を公民科の授業で使った教師が殺害された事件について討論者として議論を行い、移民社会フランスの現状をアップデートすることができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K02145
ID情報
  • 課題番号 : 20K02145
  • 体系的課題番号 : JP20K02145

この研究課題の成果一覧

論文

  1

書籍等出版物

  1