講演・口頭発表等

国際会議

東京電力福島第一原子力発電所事故により汚染された土壌中の放射性物質の深度分布の変遷

11th Annual Meeting Asia Oceania Geosciences Society (AOGS 2014)
  • 佐藤 治夫
  • ,
  • 新里 忠史
  • ,
  • 田中 真悟*
  • ,
  • 阿部 寛信
  • ,
  • 青木 和弘

開催年月日
2014年7月
記述言語
英語
会議種別
国・地域
日本

本研究は2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故に対する対応策の1つとして政府が進めている放射線量等分布マップの関連研究の1つとして実施した。土壌深さ方向の放射性物質の分布状況に関する1次及び2次調査を、それぞれ事故から約3ヶ月後と1年後に実施した。1次調査は、二本松市,川俣町,浪江町の11地点で行い、土壌へのCs-137とI-131の分配係数(Kd)や放射性核種の見掛けの拡散係数等を取得した。2次調査も同様な場所で実施し、Cs-137とI-131の収脱着試験,CEC及びAEC測定、XRDによる鉱物分析を3種類の土壌(砂質,粘土質,有機質)とそれらの水簸分級成分(粘土,シルト,砂)について実施した。2次調査の結果、Cs-134, 137は全ての地点で、Ag-110mは空間線量率の高いエリアでのみ検出された。Csの深度分布は、砂質土壌を支持層とした地表面土壌では表層5cm以内にインベントリーの95\%以上が、表層10cm以内に99\%以上が分布し、1次調査と比較してほとんど変化が見られなかった。一方、有機質土壌や元農地と推定される土壌では表層16cm以内にインベントリーの95\%以上が、表層20cm以内に99\%以上が分布し、粘土質土壌及び有機質土壌を支持層とする土壌、特に有機質土壌において濃度分布が深部へ進展する傾向が見られた。有機質土壌とそれらの分級成分に対するCsのKdも他の土壌やそれらの分級成分よりも1桁程度低く、深度分布の傾向と整合的である。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5045503