共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

「脱スピ」の宗教社会学的研究―スピリチュアリティから離れたセラピスト達を事例に―

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究
  • GAITANIDIS IOA

課題番号
18K12205
体系的課題番号
JP18K12205
配分額
(総額)
2,600,000円
(直接経費)
2,000,000円
(間接経費)
600,000円

2018年度は10年前にインタビューした65人のスピリチュアル・セラピストを追跡し、そのうちの10人に再度インタビューをした。この10年の間におけるそれぞれの活動の変化と「スピリチュアル」という概念に対しての彼(女)らの意識の変化を確認できた。一方、活動を中止した、追跡が難しい方々も多くいるため、追跡調査に時間がかかっている。
インタビュー調査と同時に、スピリチュアリティを批判する一般出版物やサイト・ブログなどにおける言論の分析を開始した結果、「脱スピ」を提言する方々の考え方は少なくとも三つあることがわかった:1)ファッションや商売目的でスピリチュアルに関わっている人々への批判、2)「スピリチュアル」を日常の中に探すのではなく、「不思議な・宗教的な」こととして扱っている人々への批判、3)自分の人生を自分できめるのではなく、「教祖」や「スピリチュアル指導者」を頼ってしまう人々への批判。このように「脱スピ」の言論は多様でありながら、1995年以降の日本における「カルト」論や11世紀以降のキリスト教圏に見られた異端論(heresiology)などとの共通点を持ちうるといえることから、代替宗教(alternative religions)への批判に関する文献調査も行った。
なお、本研究の理論的な枠組みをまとめた「現代宗教と代替性」という講演を、東北大学国際文化研究科国際日本研究講座にて行い、また、「スピリチュアル」の代替性を批判的に扱ったメディア論の中の事例として「鳩山由紀夫の政治思想をめぐるオカルト言論」について「宗教と社会」学会第26回学術大会(2018年6月10日)で発表を行った。また、19世紀以降の日本メディアにおける新宗教団体への批判を分析し、メディアにおける異端論と日本人論としてのアニミズム概念の出現との関連性についての論文(2019印刷中)を執筆した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K12205
ID情報
  • 課題番号 : 18K12205
  • 体系的課題番号 : JP18K12205

この研究課題の成果一覧

論文

  1

MISC

  1

書籍等出版物

  2

講演・口頭発表等

  5