共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

農政転換下における農業構造変動の実証的研究―構造変動プロセスの解明―

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H03063
体系的課題番号
JP19H03063
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円

2019年度は各地域の実態調査を中心に研究を進めた。
1)東北では秋田県湯沢市Y地区を対象とした事例分析から、集落外に展開する大規模水田作経営と担い手不在集落における互恵関係として、担い手不在集落における地権者の協議、入作経営同士の協議を通じて、特定の大規模水田作経営へ農地をほぼまとまった形で集積することにより、①大規模水田作経営にとっては集約された農地を活かした作物選択やマーケティング戦略の幅が広がったこと、②担い手不在集落にとっては、農地が活用されるとともに、大規模水田作経営との協働によりコミュニティ活動の拡充および集落の地域資源を活かした経済事業への展望が拓けたことが明らかとなった。
2)同じく東北の秋田県内の事例分析を通じて農地中間管理事業の特徴と課題を明らかにし、秋田県における本事業の高い実績の要因として、①農協や土地改良区等の農業関係機関による手厚い支援、②土地改良事業と絡めた事業運用、③信頼できる地域農業の担い手の存在、が挙げられる。今後はこれまで支援を受けられなかった地域にまで支援の手を広げていくことが必要であるという結論を得た。
3)九州では佐賀県の調査から次のような点が明らかとなった。佐賀の集落営農のなかには、JAの食品加工と連携し、加工原料の野菜生産に着手し出荷することで構成員の就業の場の確保、収益の拡大といった方向に活路を見出しているという実態を検出することができた。
4)その他の地域では次のような調査研究を行った。茨城県の実態調査からは主食用米作付の増加、飼料稲の作付維持を確認することができた。こうした水田利活用の直接支払交付金による助成が農業構造に与えた影響として2020年センサスに反映されることが予想される。都市農業についても制度改正が与えた影響について一定の分析を行った。さらに海外ではドイツにおいて女性農場経営者についての要因に関する研究を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H03063
ID情報
  • 課題番号 : 19H03063
  • 体系的課題番号 : JP19H03063

この研究課題の成果一覧

論文

  4

MISC

  2

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  14

社会貢献活動

  2