論文

査読有り
2011年6月

左右差の著しい網膜変性の長期経過

眼科臨床紀要
  • 櫻本宏之
  • ,
  • 國吉一樹
  • ,
  • 咲山豊
  • ,
  • 中尾彰
  • ,
  • 岡崎能久
  • ,
  • 松本長太
  • ,
  • 下村嘉一

4
6
開始ページ
567
終了ページ
573
出版者・発行元
眼科臨床紀要会

目的:左右差の著しい網膜変性の長期経過について報告すること.<br />
症例:<br />
(症例1)初診時8歳の女性で,1988年8月11日に初診した.初診時,右眼は眼底に血管アーケードから赤道部にかけて網膜変性を認め,視野は狭窄し,網膜電図(以下ERG)はnon-recordableであった.左眼は眼底,視野,ERGいずれも正常であった.初診から22年間経過をみたが,右眼の網膜変性は次第に進行し,定型網膜色素変性の所見となった.左眼は全経過を通して正常眼底で,ERGも正常であった.<br />
(症例2)初診時29歳の女性で,1995年7月12日に初診した.初診時,右眼の眼底は右眼には血管アーケードから中間周辺部にかけて網膜色素上皮の色調ムラがあり,網膜血管は狭細化をみとめた,視野は求心性視野狭窄を示し,ERGはnon-recordableであった.左眼は下方眼底にわずかな網膜変性があったが,視野,ERGはともに正常であった.初診から15年間経過をみたが,右眼の網膜変性は次第に進行し,定型網膜色素変性の

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