2021年10月
放射性汚染水処理に関わるゼオライト系吸着剤と海水との混合物からの水素発生量の測定と評価
Insights Concerning the Fukushima Daiichi Nuclear Accident, Vol.4; Endeavors by Scientists
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- 開始ページ
- 37
- 終了ページ
- 45
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.15669/fukushimainsights.Vol.4.37
福島第一原子力発電所の放射性汚染水の処理では、汚染水から放射性のセシウムやストロンチウムを除去するためゼオライトが吸着剤として用いられる。吸着処理中や処理後の吸着剤保管時には、水の放射線分解で水素が発生する。安全な処理のためには発生する水素量の評価が重要である。そこで、ゼオライト系吸着剤と海水との混合物からガンマ線照射により発生する水素を測定し、処理時の水素発生量を評価した。海水のみ、吸着剤1wt\%添加、約50wt\%添加の試料について測定した結果、吸着剤量が1wt\%では、海水のみの場合と同等の水素発生量であったが、約50wt\%では減少した。しかし、約50wt\%添加試料で測定された水素発生量は、混合物中の海水の放射線分解からのみ水素が発生するとして見積もった水素量よりも大きく、吸着剤に付与された放射線エネルギーが水素発生に寄与することが示唆された。汚染水中の核種分析の結果を元に、本研究の実験結果から水素発生量を評価した結果、処理前の汚染水1tからは標準状態で3.6mL/h、処理後の吸着剤では高放射線場となるため、吸着剤1tから1.5L/hの水素が発生すると見積もられた。
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- DOI : 10.15669/fukushimainsights.Vol.4.37