共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

新しい時代の太陽系物質科学:マルチスケールで見た含水小惑星の形成進化過程

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
20H00188
体系的課題番号
JP20H00188
配分額
(総額)
46,280,000円
(直接経費)
35,600,000円
(間接経費)
10,680,000円

はやぶさ2探査機が回収する予定の小惑星リュウグウサンプルの初期分析を担当するため,その分析方法の開発と炭素質隕石サンプルを用いたリハーサル分析を行った.また,小惑星リュウグウは天体表面の分光観察により,加熱された可能性があるため,CIコンドライトを用いて加熱実験を行い,その加熱物を用いて一連の分析を行った.大気遮断状態でのサンプルのハンドリング,大気遮断状態での反射スペクトル測定,大気遮断での放射光X線回折分析,大気遮断での放射光XANES分析,大気暴露下での放射光CT分析,走査型,および透過型電子顕微鏡を用いた組織観察などをCIコンドライト,CMコンドライト,およびその加熱物に対して行った.その結果,小惑星リュウグウの反射スペクトルはCIコンドライトの粗粒(mmサイズ)粒子の300度程度に還元下で加熱したものと類似することが分かった.また,このとき,層状ケイ酸塩のFeの価数が3価に富んだ状態から2価に富んだ状態に還元されていることが分かった.一方,X線回折分析より300度の加熱では,層状ケイ酸塩(Saponite, serpentine)は分解していないことが分かった.一連の炭素質隕石を用いたリハーサルの結果と,実際のリュウグウ回収サンプルの分析結果を比較することで,小惑星リュウグウの形成進化史を解明することを目指す.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H00188
ID情報
  • 課題番号 : 20H00188
  • 体系的課題番号 : JP20H00188