2014年4月 - 2017年3月
地球海水の水素同位体進化
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
太古代海洋底玄武岩の水素同位体組成を熱分解型質量分析法により決定した。約32億年前クリーバビル累層の試料200個以上を分析した結果、含水鉱物のdD値が変成度と明瞭な対応を示した。また現在の海洋底玄武岩に見られるのと同様なdD値と含水率の関係が得られた。これらの結果はいずれも、クリーバビル累層の含水鉱物が太古代海水の同位体情報を保持していることを示している。推定した32億年前海水のdD値は-21±5‰であり、地球史を通して海水は重水素を濃縮した事が分かり、水素散逸による海水の減少を示唆している。また、火成角閃石の分析から、海水だけでなくマントルのdD値も太古代は低かった可能性が示された。
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- 課題番号 : 26287125
- 体系的課題番号 : JP26287125