秋吉 亮太
基本情報
- 所属
- 慶應義塾大学 KGRI 特任助教
- 株式会社AaaS Bridge シニアリサーチフェロー
- パリ第1大学 科学史哲学研究所 連携研究員 (Associate Member)
- 学位
-
博士(哲学)(2010年3月 慶應義塾大学)
- 連絡先
- georg.logicgmail.com
- 研究者番号
- 20587852
- J-GLOBAL ID
- 201101016509478775
- researchmap会員ID
- B000001447
- 外部リンク
元々の専門は数学・論理学の哲学および数理論理学、哲学的論理学、理論計算機科学(タイプ理論)で、「証明とは何か」という哲学的問いが私の研究の基礎にあります。近年ではスマートシティ、ロボット倫理、自然言語処理(日本語の談話理論)といった分野にも関心が広がってきました。
現代の数学の哲学は20世紀初頭に勃興した数学基礎論論争をきっかけとして始まり、当初は哲学的議論と数学的発展が並行していました。現在では専門化が進んだこともありそれぞれ比較的独立に研究されていますが、私は数理論理学(証明論、スタンフォード大学のグリゴリー・ミンツ氏との共同研究)や理論計算機科学(型理論、京都大学数理解析研究所の照井一成氏との共同研究)への寄与をすると同時に数学の哲学をより現代的文脈で研究してきました。特に、ヒルベルトの形式主義やブラウワーの直観主義、そしてフレーゲの論理主義といった20世紀初頭の論理哲学に強い興味を持っており、「証明とは何か」という観点からこれらの学派の共通基盤を探ることを目標としています。ここ数年は、数学の証明論的意味論を展開するプロジェクトを進めています(パリ大学アルベルト・ナイーボ氏との共同研究)。
数学の証明の形式化(IsabelleやCoq、Minlogなど)にも強い興味を持ち、計算機科学的/自然言語処理的な観点からも証明とは何かという問いを探求しています(慶應大学の峯島宏次氏との共同研究)。こうした研究の哲学的な背景としては、フッサールの論理哲学(特に『論理学研究』周辺)にそもそも興味があり、判断論や記号による知識の拡張という問題を研究してきました(岡山大学の植村玄輝氏との共同研究)。
最近は日本を代表する論理学者である竹内外史の論理哲学に関するプロジェクトを進めており、その哲学的な背景(特に西田幾多郎の哲学)を掘り下げつつ全体像を描くことを目指しています(ロレーヌ大学アンドリュー・アラナ氏との共同研究)。さらに、関連する研究として東洋で展開されてきた自己の哲学をデジタルツインやVRへ応用する研究や、東洋哲学を背景としたロボット倫理の研究も進めてきました(京都大学の出口グループとの共同研究)。そして、こうした哲学の実社会へ応用にも強く興味を持っていて、 「よりよいスマートWEを目指して:東アジア人文社会知から価値多層社会へ」(日本学術振興会 課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業、学術知共創プログラム)の人的交流グループのリーダーを務めています。
より具体的には
(I) ゲーデルの不完全性定理とヒルベルト・プログラムの関係
(II) ゲンツェンの複数の無矛盾性証明の再解釈
(III) ブラウワーのバー帰納法の証明の証明論的再解釈
(IV) 初期フッサールの論理哲学(記号による知識の拡張、判断論)
(V) フレーゲの論理体系の証明論的分析(判断論)
(VI) 直観主義論理の論理定項の意味、証明論的意味論
(VII) 高階算術の非可述な部分体系、並びに高階型理論の証明論(カット消去定理、順序数解析)
(VIII) 構成主義数学(点を仮定しない位相空間論)
(IX) 竹内外史の論理思想(無矛盾性証明の意義、形式主義の哲学)
(X) デジタルツインやVR(志向性)の論理
(XI) ロボット倫理における主人-奴隷モデルのオルタナティブ
(XII) スマートシティについての産学官連携プロジェクト
(XIII) 推論的観点からみた日本語の談話関係
などを中心に哲学・数理論理学・計算機科学の三方向から研究しています。
経歴
33-
2024年4月 - 現在
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2022年10月 - 現在
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2022年4月 - 2022年9月
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2020年4月 - 現在
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2018年9月 - 現在
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2024年10月 - 2025年3月
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2022年4月 - 2025年1月
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2024年4月 - 2024年9月
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2023年10月 - 2024年3月
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2021年10月 - 2024年3月
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2018年4月 - 2024年3月
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2023年4月 - 2023年9月
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2022年10月 - 2023年3月
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2022年10月 - 2023年3月
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2021年9月 - 2022年3月
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2010年4月 - 2022年3月
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2021年4月 - 2021年9月
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2020年9月 - 2021年3月
委員歴
1-
2017年4月 - 2023年3月
受賞
3-
2023年3月
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2014年11月
-
2009年10月
書籍等出版物
3-
朝倉書店 2025年
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ミネルヴァ書房 2024年
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ミネルヴァ書房 2019年4月 (ISBN: 9784623084104)
論文
27-
to appear 2025年3月 査読有り
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LREC-COLING 2024 - The 2024 Joint International Conference on Computational Linguistics, Language Resources and Evaluation 2024年5月 査読有り
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哲學(三田哲学会) 153 53-79 2024年3月 査読有り
-
言語処理学会第 29 回年次大会発表論文集 375-380 2023年3月
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哲學(三田哲学会) 151 1-36 2023年3月 査読有り
-
Asian Journal of Philosophy 2022年11月 査読有り
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哲學(三田哲学会) 146 83-110 2021年3月 査読有り筆頭著者責任著者
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哲学論叢 46 1-17 2019年10月 査読有り
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WoLLIC 2018 25th Workshop on Logic, Language, Information and Computation, Lecture Notes in Computer Science 10944 77-90 2018年7月 査読有り
-
Proceedings of the XXIII World Congress of Philosophy 56 5-9 2018年 査読有り
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S.C.-M. Yang, K. Y. Lee and H. Ono (eds.), Philosophical Logic: Current Trends in Asia 95-137 2017年12月 査読有り
-
The Mints' memorial issue of the IfCoLog Journal of Logics and their Applications 4(4) 867-884 2017年5月 査読有り招待有り
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First International Conference on Formal Structures for Computation and Deduction (FSCD), Leibniz International Proceedings in Informatics 5:1-5:15 2016年6月 査読有り
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Archive for Mathematical Logic 55(3) 593-603 2016年5月 査読有り
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フッサール研究 12 149-158 2015年4月 招待有り
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to be submitted, 30 pages 2014年
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哲学論叢 40(40) 81-92 2013年 査読有り
-
科学基礎論研究 41(1) 1-22 2013年 査読有り
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科学基礎論研究 39(2) 93-107 2012年 査読有り
-
CARLS Series of Advanced Study of Logic and Sensibility 5 221-230 2011年
MISC
16-
to be submitted, 55 pages 2024年10月
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to be submitted as a book chapter, 20 pages 2024年10月
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to be submitted, 16 pages 2024年9月
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to be submitted, approx. 30 pages 2024年5月
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to be submitted, 20 pages 2023年10月
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approx. 20 pages, in preparation 2022年11月
-
The Bulletin of Symbolic Logic 25(4) 498 2019年12月 査読有り
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The Bulletin of Symbolic Logic 25(2) 236-237 2019年7月 招待有り
-
in preparation, 17 pages 2018年
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The Bulletin of Symbolic Logic 22 382 2016年9月 査読有り
-
The Bulletin of Symbolic Logic 21 53-54 2015年3月 査読有り
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Abstract Volume of XXIII World Congress of Philosophy 18 2013年 査読有り
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The Bulletin of Symbolic Logic 18 438 2012年 査読有り
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現代思想 研究手帖 40 2012年 招待有り
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The Bulletin of Symbolic Logic 16 293 2011年 査読有り
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『科学哲学』 42(2) 113-117 2009年 招待有り
講演・口頭発表等
83-
LREC-COLING 2024 - The 2024 Joint International Conference on Computational Linguistics, Language Resources and Evaluation 2024年5月
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Workshop: “Self and Infinity II” 2024年4月
-
Workshop: “Self and Infinity” 2023年3月
-
言語処理学会第 29 回年次大会 2023年3月
-
Mini-WS (L'Institut d'histoire et de philosophie des sciences et des techniques, Paris) 2023年3月 招待有り
-
夏のワークショップ:ロボットと人間 「未来のロボットと人間の関係を考える」(国際電気通信基礎技術研究所(ATR))) 2022年7月
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応用哲学会第十四回年次研究大会公募ワークショップ「都市のための応用哲学のいくつかの話題」(オーガナイザー:神崎宣次)における提題 2022年5月30日 招待有り
-
こころの未来研究センター 人文社会科学・文理融合的研究プロジェクト 2021年度研究報告会 2022年3月13日
-
日本哲学会第八十回大会 2021年5月
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Axiomes et définitions, (Paris, IHPST) (コロナウイルスのため学会は不実施) 2020年3月 招待有り
-
Munich Center for Mathematical Philosophy 2020年2月 招待有り
-
Munich Center for Mathematical Philosophy 2020年2月 招待有り
-
Mathematical and logical understanding and formalization Workshop in honor of Pr. Mitsuhiro Okada (Institut d'histoire et de philosophie des sciences et des techniques, Paris) 2020年2月 招待有り
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Logic Colloquium 2019 (Prague, The Czech Republic) 2019年8月12日
-
Oberseminar Mathematische Logik (LMU München, Mathematisces Institut) 2019年8月7日 招待有り
-
飯田隆先生・丹治信春先生古希記念ワークショップ:言語・論理・知識 2019年3月 招待有り
-
Atelier : perspectives philosophiques sur des théories formelles (Institut d'histoire et de philosophie des sciences et des techniques) 2019年2月 招待有り
-
Theory Seminar (Swansea University, Department of Computer Science) 2019年2月 招待有り
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Workshop on Philosophy of Logic "Around Norm, Rule and Disagreement" (Keio University) 2019年1月
-
第148回CAPEレクチャー(京都大学) 2018年11月 招待有り
担当経験のある科目(授業)
18共同研究・競争的資金等の研究課題
13-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2024年4月 - 2028年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2024年4月 - 2028年3月
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日本学術振興会 課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業(学術知共創プログラム) 2022年6月 - 2028年3月
-
JST-RISTEX ELSIプログラム (RInCA) 2022年10月 - 2026年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2019年4月 - 2024年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2017年4月 - 2022年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 2016年4月 - 2020年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 2016年4月 - 2019年3月
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日本学術振興会 科学研究費(特別研究員奨励費) 2012年4月 - 2015年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 2012年4月 - 2013年3月
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日本学術振興会 科学研究費(研究活動スタート支援) 研究活動スタート支援 2010年4月 - 2012年3月
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慶應義塾大学 博士課程学生研究支援プログラム 2008年4月 - 2009年3月
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慶應義塾大学 大学院高度化推進研究費 2007年4月 - 2008年3月
学歴
5-
2005年4月 - 2010年3月
-
2003年4月 - 2005年3月
-
1999年4月 - 2003年3月
-
1996年4月 - 1999年3月
-
1993年4月 - 1996年3月
その他
25-
2024年4月https://www.smart-we.bun.kyoto-u.ac.jp/index.php/report/981/
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2023年3月 - 2023年3月https://paysgermaniques.fr/self-and-infinity/
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2018年3月 - 2018年3月http://www.jaist.ac.jp/is/labs/ishihara-lab/mla2018/
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2018年3月 - 2018年3月https://www.waseda.jp/inst/wias/news-en/2018/01/26/4887/
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2018年3月 - 2018年3月https://www.waseda.jp/inst/wias/news-en/2018/01/16/4869/
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2017年12月 - 2017年12月https://www.waseda.jp/inst/wias/news/2017/11/14/4733/
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2017年7月 - 2017年7月https://www.waseda.jp/inst/wias/news-en/2017/07/04/4467/
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2017年5月 - 2017年5月https://www.waseda.jp/inst/wias/news/2017/04/25/4250/
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2017年1月 - 2017年1月https://abelard.flet.keio.ac.jp/seminar/frjp17jan.html
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2016年10月 - 2016年10月https://www.waseda.jp/inst/wias/news/2016/10/11/2321/
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2016年6月 - 2016年6月https://www.waseda.jp/inst/wias/news/2016/06/07/2101/
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2016年1月 - 2016年1月https://www.waseda.jp/inst/wias/news/2016/01/15/862/
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2015年9月 - 2015年9月https://abelard.flet.keio.ac.jp/seminar/sieg2015.html
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2015年9月 - 2015年9月https://www.waseda.jp/inst/wias/news/2015/09/18/1155/
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2015年5月 - 2015年5月https://www.waseda.jp/inst/wias/news/2015/05/25/1185/
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2012年3月 - 2012年3月http://www.carls.keio.ac.jp/eguchi_poster-1.pdf
-
2011年9月 - 2011年9月http://www.carls.keio.ac.jp/2011/09/phenomenality-as-apsychological-construction-1.html
-
2011年2月 - 2011年2月http://www.carls.keio.ac.jp/2011/02/richard-za.html
-
2011年2月 - 2011年2月http://www.carls.keio.ac.jp/2010226prooftheoryandphilosophy.pdf
-
2011年2月 - 2011年2月http://www.carls.keio.ac.jp/2011/12/post-76.html