論文

査読有り
2019年3月

個人と共同体の混合形態――一人暮らし高齢者の生活――

北海道生命倫理研究
  • 船木祝
  • ,
  • 宮嶋俊一
  • ,
  • 山本武志
  • ,
  • 粟屋剛

7
開始ページ
19
終了ページ
35
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
北海道生命倫理研究会

本研究では、配偶者の死別後等の一人暮らし生活への高齢者の個人の馴化のプロセスを明らかにし、さらに、周囲の人とのコミュニケーションや交流のあり方を描写することを目指す。この問題に取り組むために、北海道在住の65歳以上90歳未満の一人暮らし高齢者24名を対象とするインタビューガイドを用いた半構成的面接調査を実施した。このインタビュー調査に基づく逐語録は質的帰納的方法によって分析された。分析の結果、最終的に、高齢者の一人暮らし生活を支えている精神的・社会的状況に関して、10のカテゴリーと25のサブカテゴリーとに集約できた。自己との関係に関しては、【死別後の変化】、【時間にともなう変化】、【人生を変えた大きな出来事】、【自分で作る・夢中になれる趣味がある・仕事がある】の4つのカテゴリーが得られた。他者との関係に関しては、【気持ちを支えてくれる関係】、【喜びとなる人との交流】、【人から離れる】、【つながりを見つける】、【人とのつきあい方】、【重要な他者の存在】の6つのカテゴリーが得られた。これらの結果から、一人暮らし高齢者は自己との関係において他者の存在を思い浮かべ、他者との関係において自己の自発的意思を表明していたことが示された。すなわち、個人の問題と共同体の問題は単に二分化できるものではなく、相互的影響を顧慮して考察されなくてはならないことが明らかになった。(著者抄録)

リンク情報
共同研究・競争的資金等の研究課題
北海道における高齢者の孤立化に関する発展的研究
URL
https://search-tp.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2019&ichushi_jid=J06278&link_issn=&doc_id=20190422240002&doc_link_id=120006627527&url=https%3A%2F%2Fci.nii.ac.jp%2Fnaid%2F120006627527&type=CiNii&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00003_3.gif
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ID情報
  • ISSN : 2187-834X
  • 医中誌Web ID : 2019201246

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