基本情報

所属
東京大学 大学院新領域創成科学研究科附属サステイナブル社会デザインセンター 特任講師
学位
博士(2017年9月 東京大学)

J-GLOBAL ID
201501009938003681
researchmap会員ID
B000250390

外部リンク

Sioen博士は、環境問題と社会課題との相互関連性に着目した研究を、日本および地球規模を対象として実施してきた。また、その実施にあたっては、インタビューや意識調査等の質的分析と、人口統計や住民の健康に関するデータと地理情報を組み合わせる複合的な手法を開発し適用してきた。主な研究業績は以下の2つのテーマに集約される。
 第1に、日本の都市部における農地の役割を、自然災害時における減災という観点に加え、地域住民の栄養摂取や健康維持の側面も含めて、地域のサステイナビリティとして評価したものがある。インタビューや地理情報分析、健康に関する統計データを活用し、同地域の健康状態を年齢ごとに示しながら、地域内で食料の自足自給を続けることのメリットを示した。また、それを東京都の人口密度や土地利用と結び付け、土地利用に関する行政指導や規制の影響を示すことにより政策評価を行った。このように、人々の健康まで含めた都市部の持続性に関する複合的な評価指標は、海外でも類似研究が少なく、特に、現在人口が増え続けている途上国の大都市における土地利用評価に活用する潜在的発展性がある。
 第2には、地球規模での生態系システム評価に関する研究である。人新世における生態系システム評価については多くの研究蓄積があるが、その中でSioen博士は、生態系の価値を「保険」という観点から理論枠組みを構築し、その理論枠組みに世界の都市に関する289の関連プロジェクトのデータを組み込むことで実証研究を行った。その結果、世界の都市は、第一に水害、次に水不足の順で人命にかかわるリスクに晒されているが、自然を保全する区域を部分的に残すことで、損害を減らせることを示した。また、都市部に自然保全区域を残す目的として、景観など減災以外の目的が含まれていることも多いことが分かった。本研究は、気候変動と生物多様性の両立を目指すNature-based Solutions (NbS)や、生物多様性条約の直近の目標であるNature Positiveの考え方に沿うものであり、今後、国内外でニーズが高まるテーマとして期待できる。


主要な論文

  21

主要な書籍等出版物

  21

主要な講演・口頭発表等

  56

所属学協会

  1

共同研究・競争的資金等の研究課題

  1

主要な学術貢献活動

  23

メディア報道

  2
  • UNITAR https://www.linkedin.com/posts/divisionforprosperity_mr-sioen-giles-bruno-a-project-lecturer-ugcPost-7310465756024958976-UK4J?utm_source=share&utm_medium=member_desktop&rcm=ACoAAAisQtMBdJ_0acJmpJRZHLv6uqzGg2af_DE 2025年4月 インターネットメディア
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