2019年4月 - 2023年3月
女性琉球舞踊指導者のアメリカ社会におけるエイジェンシーの分析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は、第二次世界大戦中あるいは米軍統治下の沖縄からアメリカに移民し、現在アメリカで琉球舞踊指導者として活動する四人の女性たちのライフヒストリーをたどり、異国で伝統芸能を継承する彼女たちの活動が、アメリカ社会における沖縄系移民のコミュニティ形成にどのような役割を果たしてきたかについて明らかにすることを目的とする。アメリカ社会における沖縄県人会は、日本とアメリカという二国家の境域を形成するディアスポラとして、琉球芸能を活動の中心として活発に継続している。なかでもこの四人の沖縄女性は、北米の琉球舞踊研究所の四流派の名取として、カリフォルニア州のロサンジェルスに本部を置き、琉球舞踊では全米の拠点となっている北米県人会という組織の中心的な存在となっている。本研究は、アメリカ社会におけるこのコミュニティの位置や様相、そして沖縄系コミュニティがアメリカ社会の変容に与える影響を明らかにしようとする分野横断型の着想であることから、沖縄「移民研究」の事例にとどまらず、「アメリカ研究」や「女性学」にも意義をもつ研究であると思われる。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K02106
- 体系的番号 : JP19K02106