2018年4月 - 2022年3月
マインドフルネス認知療法による総合的自殺対策
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本年度は,自殺行動の統合的動機―意志モデル(IMV Model; O’Connor & Kirtley, 2018)の本邦における妥当性を検証すると共に,自殺念慮傾向者を対象にMBCTによる介入研究を行い,その効果を本モデルに基づきつつ検討した。
具体的には,自殺念慮に影響する認知的要因である「敗北」と「エントラップメント」を測定するDefeat and Entrapment Scale(DES)の日本語版の作成(研究1),大学生を対象とした調査によるIMVモデルの検証(研究2),IMVモデルにおけるマインドフルネス及び関連概念の調整効果の検討(研究3),自殺念慮傾向者に対するMBCTの効果研究(研究4)を行った。さらに,自殺念慮傾向者にMBCTが効果を発揮するメカニズムを検証するため,MBCTの効果メカニズムとして注目される,自伝的記憶の過度な概括化(OGM)に着目し,自殺念慮及びIMVモデルとOGMの関連性の検討(研究5),MBCT介入研究におけるOGMの効果媒介効果の検討(研究6)を行った。
以上の結果,まずはDESについては,先行研究とほぼ同等の信頼性,妥当性を有する,日本語版DESが作成された。次に,これを用いて大学生を対象に媒介分析及び媒介調整分析による検討の結果,敗北がエントラップメントを介して自殺念慮傾向を高める媒介効果が検証されたほか,特にマインドフルネスと関連する「セルフ・コンパッション」が,それぞれの媒介効果を調整する働きを有することが明らかとなった。
さらに,15名の参加者(M-39.33, SD=13.00)を対象に8週間のMBCTを行ったところ,介入前後でエントラップメント,マインドフルネススキルの有意な改善が認められた。
なお,IVMモデルに対するOGMの調整効果は示されなかったが,OGMの改善が,自殺念慮傾向の改善を予測することが示された。
具体的には,自殺念慮に影響する認知的要因である「敗北」と「エントラップメント」を測定するDefeat and Entrapment Scale(DES)の日本語版の作成(研究1),大学生を対象とした調査によるIMVモデルの検証(研究2),IMVモデルにおけるマインドフルネス及び関連概念の調整効果の検討(研究3),自殺念慮傾向者に対するMBCTの効果研究(研究4)を行った。さらに,自殺念慮傾向者にMBCTが効果を発揮するメカニズムを検証するため,MBCTの効果メカニズムとして注目される,自伝的記憶の過度な概括化(OGM)に着目し,自殺念慮及びIMVモデルとOGMの関連性の検討(研究5),MBCT介入研究におけるOGMの効果媒介効果の検討(研究6)を行った。
以上の結果,まずはDESについては,先行研究とほぼ同等の信頼性,妥当性を有する,日本語版DESが作成された。次に,これを用いて大学生を対象に媒介分析及び媒介調整分析による検討の結果,敗北がエントラップメントを介して自殺念慮傾向を高める媒介効果が検証されたほか,特にマインドフルネスと関連する「セルフ・コンパッション」が,それぞれの媒介効果を調整する働きを有することが明らかとなった。
さらに,15名の参加者(M-39.33, SD=13.00)を対象に8週間のMBCTを行ったところ,介入前後でエントラップメント,マインドフルネススキルの有意な改善が認められた。
なお,IVMモデルに対するOGMの調整効果は示されなかったが,OGMの改善が,自殺念慮傾向の改善を予測することが示された。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K03144
- 体系的課題番号 : JP18K03144
この研究課題の成果一覧
絞り込み
書籍等出版物
3-
サンガ新社 2024年4月
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サンガ新社 2024年4月
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サンガ新社 2024年4月