2018年4月 - 2022年3月
慢性頭痛に対する認知行動モデルの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
片頭痛や緊張型頭痛などの慢性頭痛にはストレスが関与することが分かっており,認知行動療法の適用例も少数ながらあるが,効果は一貫しない。これは,現行の頭痛に対する認知行動療法が,どのような要因が最も頭痛症状に対する予測力が高いのかという認知行動モデルに基づいていないという限界のためと考えられる。本研究では,慢性頭痛と関連の認められるうつ病と不安症に関する知見を基盤に,慢性頭痛の症状に対する予測力の高い変数を精査し,認知行動モデルを開発することを目的としている。
まず,調査研究を行う前提として,慢性頭痛の種類(片頭痛/筋緊張型頭痛),頻度,重度を測定する尺度の妥当性を確認する必要がある。その結果,BHSと片頭痛スクリーナーによる片頭痛のスクリーニングの結果の一致性が高いこと,MIDASとHIT-6の項目を合わせた分析の結果,頻度・重度・生活支障度が一因子を形成することが示唆された。
認知行動的な予測変数としては,うつ病や不安症と関連するものが候補となっているが,その前提として不安と抑うつ症状と,MIDASとHIT-6で測定される頭痛の重症度との関連を見た。その結果,頭痛は抑うつと特異的に関連することが見いだされた。
抑うつを予測する認知的な変数である反復思考と頭痛との関連を見たところ,反復思考が頭痛を増強する場合と,低減させる場合があることが分かった。これは,痛みから気晴らしをするためにあれこれ考えこむというように,反復思考が痛みへの対処として使われている場合もある可能性を示唆する。この仮説を理論づけるため,頭痛とデフォルトモードネットワークとの関連などについて,文献研究を進めている。
まず,調査研究を行う前提として,慢性頭痛の種類(片頭痛/筋緊張型頭痛),頻度,重度を測定する尺度の妥当性を確認する必要がある。その結果,BHSと片頭痛スクリーナーによる片頭痛のスクリーニングの結果の一致性が高いこと,MIDASとHIT-6の項目を合わせた分析の結果,頻度・重度・生活支障度が一因子を形成することが示唆された。
認知行動的な予測変数としては,うつ病や不安症と関連するものが候補となっているが,その前提として不安と抑うつ症状と,MIDASとHIT-6で測定される頭痛の重症度との関連を見た。その結果,頭痛は抑うつと特異的に関連することが見いだされた。
抑うつを予測する認知的な変数である反復思考と頭痛との関連を見たところ,反復思考が頭痛を増強する場合と,低減させる場合があることが分かった。これは,痛みから気晴らしをするためにあれこれ考えこむというように,反復思考が痛みへの対処として使われている場合もある可能性を示唆する。この仮説を理論づけるため,頭痛とデフォルトモードネットワークとの関連などについて,文献研究を進めている。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K03095
- 体系的課題番号 : JP18K03095