2020年4月 - 2024年3月
順応的漁場環境ガバナンスにおける村落と家族
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 20H01392
- 体系的課題番号
- JP20H01392
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 17,550,000円
- (直接経費)
- 13,500,000円
- (間接経費)
- 4,050,000円
1.順応的環境ガバナンスと,その地域的諸条件に関する理論的・方法論的検討
本年度は流域を単位とする生態系アプローチ,および順応性を高めるローカルな生態知の村落内分布の分析枠組みについて既存研究を整理した。統合的流域管理モデルは,生態系アプローチを採用する代表的なモデルであり,その目的は公共・民間部門の参加によって海洋と河川生態系の統合的ガバナンスを図るものである。多様な主体の参加が想定されるものの,参加型民主主義の視点や,文化生態論的な視点による知識分布に言及した研究はわずかであることがわかった。後者による近年の研究では,村落や漁業者がおかれた政治経済的な状況が,知識分布に作用することが指摘されていることから,実証的な地域研究から日本の沿岸における知識分布の時空間的変異を明らかにする必要がある。
2.村落と家族の役割に関する事例研究
漁業協同組合,村落,および家族のスケールで,環境変動への対応と漁業者の生態知の分布に関する研究枠組みを検討した。漁業協同組合については,三陸養殖地域を対象として組合の業務報告書を震災前から現在までデータベース化して分析資料を作成した。村落スケールでは五島列島の延縄漁業者が祭祀集団としておこなった活動記録を入手し,人口が大きく変化した大正期から平成期までの祭祀行事についてデータベース化することで,集団規模の変動を分析するための資料を作成した。
3.国際合同調査とワークショップによる研究モデルの構築
チリの沿岸資源利用研究者を招聘し,合同現地調査をおこなうことで共通分析項目について議論をおこなった。
本年度は流域を単位とする生態系アプローチ,および順応性を高めるローカルな生態知の村落内分布の分析枠組みについて既存研究を整理した。統合的流域管理モデルは,生態系アプローチを採用する代表的なモデルであり,その目的は公共・民間部門の参加によって海洋と河川生態系の統合的ガバナンスを図るものである。多様な主体の参加が想定されるものの,参加型民主主義の視点や,文化生態論的な視点による知識分布に言及した研究はわずかであることがわかった。後者による近年の研究では,村落や漁業者がおかれた政治経済的な状況が,知識分布に作用することが指摘されていることから,実証的な地域研究から日本の沿岸における知識分布の時空間的変異を明らかにする必要がある。
2.村落と家族の役割に関する事例研究
漁業協同組合,村落,および家族のスケールで,環境変動への対応と漁業者の生態知の分布に関する研究枠組みを検討した。漁業協同組合については,三陸養殖地域を対象として組合の業務報告書を震災前から現在までデータベース化して分析資料を作成した。村落スケールでは五島列島の延縄漁業者が祭祀集団としておこなった活動記録を入手し,人口が大きく変化した大正期から平成期までの祭祀行事についてデータベース化することで,集団規模の変動を分析するための資料を作成した。
3.国際合同調査とワークショップによる研究モデルの構築
チリの沿岸資源利用研究者を招聘し,合同現地調査をおこなうことで共通分析項目について議論をおこなった。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H01392
- 体系的課題番号 : JP20H01392
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
2-
The International Geographical Union (IGU) Thematic Conference on “Islands in Relations: Conflicts, Sustainability, and Peace” 2023年4月6日
-
2023年日本地理学会春季学術大会 2023年3月25日