研究ブログ

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明治大学のYoutubeで研究内容が英語のアニメとして公開になりました

 

明治大学のYoutubeがカイゼンについての研究の内容を紹介するアニメを作成し、公開されました(2分17秒の長さです)。英語ですが、よくできたアニメなのでぜひご覧いただけると嬉しいです。

アニメのテーマは企業の私的な収益と、社会の収益のバランスをどう取るかです。

なお、このビデオはMeiji.netに掲載されたインタビューの内容を基に作られたものです。インタビュー「アフリカへの協力から日本経済の将来を考える」は日本語で、こちらから全文読んでいただけます。

 

スティグリッツ教授(ノーベル経済学賞)セミナー「グローバル化する世界とアフリカ」の動画公開

明治大学で行ったスティグリッツ教授(ノーベル経済学賞受賞者、コロンビア大学)を迎えての「グローバル化する世界とアフリカ」セミナーの動画を公開しました(日本語字幕付き)。

パネルにはハフェス・ガネム世界銀行 副総裁、アクバル・ノーマン教授(コロンビア大学)もお迎えし、最後には明治大学島田剛ゼミ生との意見交換も行いました(ゼミ生との意見交換は1:43あたりから始まります)。

グローバル化は世界やアフリカにどのような影響を及ぼしているのか、AIなどの技術の発展は雇用にどのような影響があるのか、フェイクニュースと大統領選などについて議論をしています。

当日のスティグリッツ先生のスライドはコチラで見ていただけます(英語のみ)。

また、セミナー前に行われた明治大学でのインタビューの記事はコチラからダウンロードできます(「グローバル化する世界における経済学者の役割とは」として経済セミナー2/3月号(日本評論社)に掲載されたものです)。

 

「途上国の産業人材育成-SDGs時代の知識と技能」(日本評論社)刊行

途上国の産業人材育成-SDGs時代の知識と技能」(日本評論社)が刊行になりました😊 私は次の2章を執筆させていただきました


第3章 進展するグローバル・バリューチェーンと底辺への競争ー企業の戦略、途上国の戦略


第6章 途上国の生産性と人材の能力向上ー企業内と企業外での人材育成


参加させていただき大感謝。

なお、名古屋大学の山田肖子先生の研究室が連続でされている、著者インタビューの動画シリーズでインタビューいただきました。インタビューと動画編集は博士課程学生で、名古屋大学SKYプロジェクトのスタッフをされている山崎裕次郎さんです。

 

 

 

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コロナ後の途上国経済:開発経済学の役割

「コロナ後の途上国経済:開発経済学の役割」の議論が収録された経済セミナーの2・3月号が発売になりました。

 

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とても勉強になった開発経済学会でのパネルでした。参加させていただいたことに感謝しています。


(以下は目次から)
|シリーズ|新型コロナと経済
コロナ後の途上国経済:開発経済学の役割
……大塚啓二郎(神戸大学)・木島陽子(GRIPS)・園部哲史(ADBI)・澤田康幸(ADB)・島田剛(明治大学)・黒崎卓(一橋大学)


詳しい目次はコチラ

雑誌「外交」に「世界とからみ合うアフリカ ー そのしたたかさと脆さ」と題して本を紹介させていただきました

雑誌「外交」に「世界とからみ合うアフリカ ー そのしたたかさと脆さ」と題して次の5冊の本の紹介を書かせていただきました(12/20ごろまでは無料で公開とのこと)。
私の原稿は3ページ目から。

紹介させていただいたのは次の5冊。


・小川さやか「チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学

 
・猪俣哲史「グローバル・バリュー・チェーン―新・南北問題へのまなざし」


スティグリッツ「プログレッシブ キャピタリズム」


岩井克人「ヴェニスの商人の資本論」


Benjamin Marx ほか「There Is No Free House: Ethnic Patronage in a Kenyan Slum」
最後のものは衛星画像を使って分析をした注目の論文。

ジョセフ・スティグリッツ教授インタビュー『グローバル化する世界における経済学者の役割とは』の全文を公開しました

日本評論社さんの『経済セミナー』誌に掲載された記事の公開契約を結び、記事を公開させていただきました。以下のリンクから全文、読んでいただけます。

 

ジョセフ・スティグリッツ教授インタビュー『グローバル化する世界における経済学者の役割とは』(聞き手:島田剛)


貧困と雇用 ー アフリカにおける産業政策と経済学の役割

 

グローバル化、デジタル化する世界と神保町コーヒー

大学の広報誌の研究最前線というページに「グローバル化、デジタル化する世界と神保町コーヒー」を掲載いただきました。

こちらから全文読めます⇨https://bit.ly/3duuYvB


執筆したのはオンライン授業が続いていた前期です。オンラインで思うようにならない中でも懸命に勉強する学生たちを応援したいと思い、ゼミのテーマを取り上げました(ちなみに後期からは対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型)。

 

書評掲載「ジャスティン・リン著『貧困なき世界ー途上国初の世銀チーフ・エコノミストの挑戦』

日本評論社の「経セミnote」に、ジャスティン・リン著『貧困なき世界ー途上国初の世銀チーフ・エコノミストの挑戦』(東洋経済、2016)の書評が掲載されました


「新」構造主義経済学を提唱し、国際開発の分野では大きな論争となった本。
2017年4・5月号「経済セミナー」に掲載された書評です。ご笑覧いただけると嬉しいです。

世界銀行セミナー「世界の生産性:推移、促進要因、政策」でお話をさせていただきました。

8月7日に オンライン で開催された世界銀行のセミナー「世界の生産性:推移、促進要因、政策」に討論者としてお話をさせていただきました。録画ビデオ🎥 が世界銀行のウェブサイトに掲載されています。ぜひご覧ください。
詳細: http://wrld.bg/VPHG30r1NEv

プログラム
挨拶 
宮崎成人 
世界銀行 駐日特別代表

講演
アリステアー・ディエップ
世界銀行 開発見通しグループ 主任エコノミスト

討論  
島田剛
明治大学 情報コミュニケーション学部 准教授

ジーン・キンドバーグ=ハンロン
世界銀行 開発見通しグループ エコノミスト

モデレーター
大森功一 
世界銀行 東京事務所 上級対外関係担当官

Fairlyfmでのトーク

ニューヨークでお世話になった二瓶直樹さんがパーソナリティを務めておられる#fairlyfm開発協力の実務と学術研究の間でというテーマで対談させていただきました。


研究とどう向き合うか、実務から政策へどう活かしていくか、研究サイドとどう付き合うか、世界の開発政策に影響を与える組織の紹介などなど。

ポッドキャストとspotifyでも視聴可能です。

プリンストン大学COVID-19関連Zoomセミナー

プリンストン大学のCOVID-19関連のZoomセミナー、すごい陣容。

アンガス・ディートン、ポール・クルーグマン、スティグリッツ、マイケル・クレーマー、アセモグル、ポール・ローマー・・・。ライブだけでなく、録画も見れる。しばらく楽しめそう。

 

参加はコチラから。

 

NEW チャートで見る新型コロナの現状(ASEANおよびアフリカ)

新型コロナについて、ASEANおよびアフリカの現状をチャートにしてモニターすることを始めました。コチラのページです。

 

今後、これらの地域(特にアフリカ)において感染が拡大していくことが懸念されるからです。

 

新型コロナ・ウィルス関連のデータについてはジョンズ・ホプキンズ大学のデータベース、人口については世界銀行のWDIのデータを使用)。ジョンズ・ホプキンズ大学のデータ更新の時間が日によって異なるため、当ページの更新は日本時間の夕方15時以降にしています。

新刊「Workers, Managers, Productivity Kaizen in Developing Countries」が出ました。オープンアクセスです。

細野昭雄先生(JICA研究所)、ジョン・ページ(ブルッキングス研究所)と私の編による本がPalgrave Macmillanより出版になりました。オープンアクセスでリンク先から無料でダウンロードしていただけます(ハードカバーは7019円)。

執筆者はブラジル、ガーナ、ベトナム、フィリピンの研究チームに加え、JICAの片井啓司さん、本間徹さん、石亀敬治さん、鈴木桃子さん、神公明さん、坂巻絵吏子さん。

時間がない方はOverviewを読んでいただければ本の全体が分かると思います。

 

 

(以下は章のタイトル)

1 Overview
Akio Hosono, John Page, and Go Shimada

2 Industrial Policy, Firm Capabilities, and Kaizen
John Page

3 Kaizen Toward Learning, Transformation, and High-
Quality Growth: Insights from Outstanding Experiences
Akio Hosono

4 Why Is Kaizen Critical for Developing Countries?: Kaizen
as a Social Innovation in the Era of Global Inequality
Go Shimada

Part I Introducing and Implementing Kaizen

5 Kaizen Promotion in Ethiopia: A Role of the
Government and Change of Mindset of People
Kimiaki Jin

6 Kaizen Dissemination Through the Government and
Private Sector in Southeast Asia: A Comparative Study of Malaysia, Indonesia, and Myanmar
Toru Homma

7 Opportunities for Kaizen in Africa: Developing the Core Employability Skills of African Youth Through Kaizen
Momoko Suzuki and Eriko Sakamaki

Part II The Effectiveness of Kaizen in Large Companies

8 The Role of Kaizen in Participation in the Global Value
Chain: The Case of the Mexican Automotive Industry 171
Keiji Katai

9 Enhancing Learning Through Continuous Improvement:
Case Studies of the Toyota Production System in the Automotive Industry in South Africa
Keiji Ishigame

10 Impact of Kaizen-like Practices in the Brazilian
Manufacturing Sector
Filipe Lage de Sousa, Mauricio Canêdo-Pinheiro, Bernardo
Pereira Cabral, and Glaucia Estefânia de Sousa Ferreira

Part III Effectiveness of Kaizen for Micro, Small and
Medium Enterprises

11 Kaizen for Small- and Medium-Sized Enterprises in
Vietnam
Vu Hoang Nam, Nguyen Thi Tuong Anh, and Doan Quang
Hung

12 Management Practices and Performance Improvement in Manufacturing Enterprises: The Case of Kaizen Adoption
in Ghana
Charles Godfred Ackah, Richmond Atta-Ankomah, and
Johnson Appiah Kubi

13 Consequences of Kaizen Practices in MSMEs in the Philippines: The Case of the Manufacturing Productivity Extension Program (MPEX)
Nestor O. Raneses, Nelson G. Cainghog, Mili-Ann M.
Tamayao, and Kristine Mae C. Gotera

経セミ(経済セミナー)2020年2・3月号「貧困削減のこれまでとこれから」

(2/29日追記:日経新聞(2月29日、朝刊)において土居丈朗先生の「経済論壇から」でスティグリッツ先生へのインタビューが取り上げられました)

 

経済セミナー2・3月号の案内が出ました。特集は「貧困削減のこれまでとこれから」。スティグリッツ先生、絵所秀紀先生、山形辰史先生、高橋和志先生、大塚啓二郎先生、黒崎卓先生と私。

 

私はスティグリッツ先生へのインタビュー「グローバル化する世界における経済学者の役割とは」と、「貧困と雇用ーアフリカにおける産業政策と経済学の役割」を掲載いただきました。




インタビューでは、格差、政治と経済学者の関係、GDPのあり方、新刊の「プログレッシブ・キャピタリズム」、経済学者としてのキャリアなどについてお伺いしました。

 

「貧困と雇用」では、開発経済学と援助政策の関係、AIなど労働節約的技術のアフリカへの影響について論じました。

また、ノーベル賞特集(RCT)もあり、こちらは青柳恵太郎先生、小林庸平先生、手島健介先生。

開発経済学会・若手会議の報告で高橋遼先生。

詳細はリンク先にあります。
https://www.nippyo.co.jp/shop/magazine/8214.html

1/27に発売予定です。ぜひご覧いただければ。Kindle版も少し遅れて発売されるようです。

スティグリッツ教授「グローバル化する世界における経済学者の役割とは」

 スティグリッツ先生(ノーベル経済学賞)へのインタビュー「グローバル化する世界における経済学者の役割とは」が今月下旬に出版予定の「経済セミナー2・3月号」(日本評論社)に掲載される予定です。経セミ編集部twitterで紹介されました。




 スティグリッツ先生のインタビューはどれも面白い。そうした中でもインタビュアーが工夫し話を引き出しているものを読むとすごいなぁと思う。

 私は力不足だけれど、これまでの15年間の共同研究の飲み会の時などにお話を聞いて面白いと思ったことをベースに、RCTなど聞きにくかったことをあえてこの機会に聞いてみました。

 経セミは学部生の頃からずっと愛読してきているので、取り上げていただき本当にうれしい。

スティグリッツ(編)「アフリカにおける成長の質」のレビュー

スティグリッツ先生らの編による我々の本「アフリカにおける成長の質」(コロンビア大学出版会)のレビューが出ました(英文)。私の章もレビューされています。

Book Review: 'The Quality of Growth in Africa' asks the critical question: is Africa's growth excellence or illusion?

https://africanbusinessmagazine.com/book-of-the-month/excellence-or-illusion/?fbclid=IwAR19sa5H-Y6fdkEgWlTVHnlrYGuE-OU9UuIv2FKwvyafYG2HRSYLPtkWe3g

エルサルバドル、アルゼンチンでの講演

エルサルバドルとアルゼンチンで日本の戦後の品質生産性運動の歴史とJICAプロジェクトのインパクト研究について基調講演などをしました。

エルサルバドルでは在エルサルバドル 日本大使やEUの代表、周辺国の関係者などから民間企業の人まで。関心高く話を聞いてくださり楽しいセミナー。



ただ、終了後、このホテルのエレベーターで、部屋に戻ろうとしたエレベーターが止まり閉じ込められてしまいました。


上にいくはずのエレベーターが下に行き、急に止まって電気が消えてしまって途方にくれました。携帯はないし、緊急ブザーを押しても反応がなく。最後は手で扉をこじ開けて脱出。
無事に出られて本当によかった・・・。


なお、セミナーで使ったスライド(スペイン語)はこちらです。

アルゼンチンでは南米・中南米で中小企業育成を担当する省庁などの政策担当者による会議で基調講演と講義を行いました。基調講演ではアメリカがマーシャル・プランでヨーロッパ生産性本部(EPA)を設立し、それがOECDになっていった歴史やアジア生産性本部(APO)の設立背景、そしてそうした歴史の中南米への政策含意についてお話しさせていただきました。スライド(スペイン語)はこちら

記事にもしていただきました。



           基調講演の様子


           講義の様子

新刊の案内が出ました「Workers, Managers, Productivity - Kaizen in Developing Countries」

Palgrave Macmillanから新刊の案内が出ました。細野昭雄先生(JICA研究所)、ジョン・ページ先生(ブルッキングス研究所、元世界銀行)と私による編集です。

ガーナ、ブラジル、ベトナム、フィリピンの研究チームによる論文とともに多くのJICA関係者の論文も掲載されています。実務をこなしながら論文を仕上げるのは大変だったと思います。

このプロジェクトは2014年から話し合いが持たれていたので、ここまで来るのに6年。特に初期はなかなか前に進めることが難しい時期もありましたが、このプロジェクトを主導したJICA研究所の担当者の情熱に動かされてここまできました。何度も夜遅くまで話し合ったことは忘れられず、私としては感謝しかありません。


また、自分自身の作業で印象深かったのは編者3名での第1章。ワシントンと東京でそれぞれですごいスピードでお互いにコメントし合いながら書き足していったところ20,000ワードを超える大作品に。そこからさらに8,000ワード代まで落として行きました。私以外のお二人の編者の集中力に圧倒され、とても勉強になりました。

この本はオープンアクセスで発売と同時に以下の出版社のHPから無料でダウンロードできるようになります。
https://www.palgrave.com/gp/book/9789811503634#aboutAuthors


なお、製本された本はアマゾンで7164円で購入することもできます。

アマゾンはこちらから
https://amzn.to/2SfRuzV

今日のラヴィ・カンブール教授(コーネル大学)セミナーのスライド

第2回 明治大学 開発経済セミナー

ラヴィ・カンブール教授(コーネル大学)セミナー

「我々は格差が拡大する時代に生きているのだろうか?― 違うがそうでもある」

Are we living in the age of rising inequality? No, But yes.

本日(12月2日)のセミナースライドはこちらです↓。先生よりご了承を得ましたので共有させていただきます。セミナーでは紙は配布しませんので、タブレット・スマホなどでご覧ください。
Meiji--Are We Living in an Age of Rising Inequality.pdf


なお、8月に行ったスティグリッツ教授(ノーベル経済学賞)をお迎えしての第1回セミナーの資料「Globalization, Development, Changing Technology: Achieving Sustainable and Equitable Growth」はこちらです↓。こちらもスティグリッツ 先生に了承を得て、参加者にスマホなどでご覧いただいたものです。

Stiglitz-Meiji.pdf

また、年内をめどにスティグリッツ先生の講演とパネルの様子
動画を掲載予定です(パネルはスティグリッツ先生と、ハフェズ・ガネム世界銀行副総裁、アクバル・ノーマン教授(コロンビア大学)と私(島田)によるもの)。




ラヴィ・カンブール コーネル大学教授セミナー「我々は格差が拡大する時代に生きているのだろうか?― 違うがそうでもある」

English follows after Japanese

第2回 明治大学 開発経済セミナー

 

ラヴィ・カンブール コーネル大学教授セミナー

T.H. Lee Professor of World Affairs, Professor of Economics, Cornell University

 

「我々は格差が拡大する時代に生きているのだろうか?― 違うがそうでもある」

Are we living in the age of rising inequality? No, But yes.

 

 本年、8月のスティグリッツ教授(ノーベル経済学賞)のセミナーに続き、開発経済学の分野で著名なラヴィ・カンブール(コーネル大学教授)をお迎えして以下のとおりセミナーを開催します。ぜひご参加ください。

  なお、参加いただける場合には会場の準備のため以下のサイトから登録をお願いします。 

スピーカー:
ラヴィ・カンブール教授(コーネル大学)

司会:島田剛 准教授(明治大学)


日時: 2019122日(月) 18:00 – 19:30

場所: 明治大学リバティ・タワー14階 1145

https://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html

使用言語:英語(通訳はありません)

申し込み:

以下のサイトから登録をお願いします(QRコードから申し込み画面に行けます)

 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd5-YF_lex1xi2lLE3KJVd485yu1xXUELdf-tGB_lHqJhGe5g/viewform?vc=0&c=0&w=1

 


ラヴィ・カンブール教授経歴

コーネル大学教授。元・世界銀行チーフエコノミスト(アフリカ)。現在、次の役所も兼ねる。国連・世界経済研究所(UNU-WIDER)の議長、社会進歩に関する国際科学評議会の共同議長(Co-Chair of the Scientific Council of the International Panel on Social Progress)、OECDの経済パフォーマンスの測定に関するハイレベル専門家グループ委員。著作は多く、以下のジャーナルなどに論文が掲載されている。 Journal of Political Economy, American Economic Review, Review of Economic Studies, Journal of Economic Theory and Economic Journal. 近著にRavi Kanbur, Akbar Noman, Joseph Stiglitz編による「Quality of Growth in Africa」(コロンビア大学出版会)がある。

https://www.kanbur.dyson.cornell.edu
問い合わせ先:島田 gs2774@columbia.edu



Meiji University Development Economics Seminar

 

“Are we living in the age of rising inequality? No, But yes.”

 

Prof. Ravi Kanbur

T.H. Lee Professor of World Affairs, 

Professor of Economics, Cornell University

 

Rapid rises in inequality in the US, in parts of Europe, and in a range of big Asian countries like China and India have led to a narrative that we are living in “An Age of Rising Inequality.” But if by an age of rising inequality is meant inequality rising everywhere, or almost everywhere, the claim is easily dismissed. Then, are we living in the age of rising inequality? Prof. Ravi Kanbur’s answer to this question is “No, But yes.” Please join us for a lively debate with Prof. Ravi Kanbur.

 

Speaker: Prof. Ravi Kanbur, T.H. Lee Professor of World Affairs, Professor of Economics, Cornell University

Moderator: Go Shimada, Meiji University

 

Date: December 2nd, 2019 (Mon) 18:00 – 19:30

Venue: Room1145, 14th Floor, Liberty Tower, Meiji University 

https://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html


Language
: English (No Japanese translation)

Registration

Please register at the following HP.

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd5-YF_lex1xi2lLE3KJVd485yu1xXUELdf-tGB_lHqJhGe5g/viewform?vc=0&c=0&w=1

ノーベル賞受賞経済学者ら15名によるRCT批判

昨年のガーディアンやルモンドに、スティグリッツ、アンガス・ディートン、ジェームズ・ヘックマンら15名の経済学者によるRCTに対する批判的な論説が掲載されました。

この論説は国内ではあまり知られていないような気がするので共有させていただきます。


そもそもの始まりは、昨年、フランスの援助開発庁(AFD)がデュフロなどの強い要請を受け、すべてをランダム化比較の対象とすべきとしたようです。この論説は、これに対応して批判したもの。ミクロの問題解決だけでは途上国の課題(たとえば気候変動による干ばつなど)を解決できないとしています。


デュフロ、バナジー、クレマーらのRCT研究のノーベル賞受賞はとても嬉しい。ただ、私も途上国にとって重要だがRCTできない分野があることも頭に置いておく必要はあるとも思っています(一国の産業政策など)。


RCTを全否定しているのではなく、それだけではなくもっと大きな政策の分析をして対策を取らないといけないというのがポイントだと思います。

島田ゼミ紹介ビデオ2019年度版をアップしました

HPに島田ゼミ2019年度版の紹介をアップしました。

学部のHPにゼミの紹介動画を掲載することになっており、昨年から始めました。ゼミの入室試験に向けてガイダンスが始まるので今年も作ってみたものです。

作ってみるとゼミの活動記録にもなっており、記念になるので今後も作っていこうかと考えています。

公募:非常勤研究助手(「アフリカ小農民の商業化による貧困緩和の実証研究(SHEP研究)」データ整理・分析募集)

私が研究代表をしているJICA研究所の研究で非常勤研究助手を公募しています。STATAを使われる方が対象です。ぜひ広く周知いただければ(選考はJICA研究所が行います)。

10月20日締め切り。

「アフリカ小農民の商業化による貧困緩和の実証研究(SHEP研究)」データ整理・分析募集 

https://bit.ly/2ngpGOG

バースデーケーキ

今日から後期が開始☺️

ところがゼミ室に行くと電気が消えている・・・ 部屋を間違えたか、日程を間違えたかと焦って中に入ると、学生たちは暗闇の中に・・・。

サプライズで私と誕生日の近いゼミ生のために、早めの誕生日祝いを準備してくれていて本当に驚いたし嬉しかった。プレゼントにネクタイまでもらいました。どの色が似合うかまで色々と考えてくれたみたい☺️

 


あまりにも嬉しかったのでかなり照れてしまいました。

さらに今日は夏の旅のお土産も多く、土産話とともににぎやかなゼミでした☺️。


経済セミナー10・11月号に開発経済学会について書きました

本日発売の「経済セミナー10・11月号」に黒崎卓先生(一橋大学)、戸堂康之先生(早稲田大学)と私で開発経済学会(JADE)について書きました☺️ 

目次についてはこちら→ 
https://bit.ly/2HhR4Di


Hayami conferenceからの歴史、第一回大会の発表の内容、今後の展開(速水賞の設立、若手会議2019、第二回大会)など。

ちなみに速水賞の詳細についてはこちら↓
http://www.jade.gr.jp/HayamiAward.html

もしよろしければ手にとって見ていただければ嬉しいです。

島田ゼミにスティグリッツ 教授(ノーベル経済学賞)が来られ意見交換を行いました。

スティグリッツ教授(ノーベル経済学賞)にゼミに来ていただきました(学部1-4年)。

セミナーを聞いた後でじっくりと意見交換。ゼミ生たちからの質問が面白く、終了後「Impressiveだった」とのお言葉をいただきました。前期、英語の文献を読み込んで議論した成果。


       ゼミ生の質問に答えるスティグリッツ 先生


           全員で記念撮影



          質問をする男子学生


スティグリッツ教授(ノーベル経済学賞)とともに「アフリカの質の高い成長 -持続可能、包摂的かつ強靭な開発を目指して-」のTICADサイドイベントに登壇

JICA研究所が2019年8月29日、第7回アフリカ開発会議(TICAD7、8月28~30日に横浜にて開催)のサイドイベントとして実施した「アフリカの質の高い成長-持続可能、包摂的かつ強靭な開発を目指して-」に登壇しました。


パネルディスカッションで議論するスティグリッツ教授と島田(左)

このセミナーの冒頭、JICA研究所の大野泉研究所長はあいさつで、コロンビア大学政策対話イニシアチブ(IPD)との共同研究を開始して10年が経過し、これまでに3冊の書籍を、また今回4冊目となる書籍『The Quality of Growth in Africa』が発刊されたことを述べ、ジョセフ・スティグリッツ教授が率いるコロンビア大学IPDのこれまでの貢献に感謝の意を示しました。



基調講演では、スティグリッツ教授が、アフリカの経済成長をGDPの指標で測った場合、GDPが高成長を示していても国内格差が悪化しているケースがあり、経済指標としてのGDPを見直す必要があると指摘し、今回の書籍ではダッシュボード方式を提案していると紹介しました。直近10年のアフリカの成長は目覚ましく、経済指標において大きな改善が見られました。しかし、エチオピアやルワンダなど一部の国を除き、その成長は天然資源への依存やコモディティー価格の上昇によるもので、産業により経済構造が変化したことによるものではありません。AIなどの労働を代替するような新しい技術の進歩が著しい時代、今後、労働人口が21億人を超えるアフリカにおいて、東アジアや日本で起こった労働集約型製造業を中心とした雇用の創出が起こることは考えにくく、農業やサービス業、資源関連セクターを含む広い意味の産業振興策など、こうした現在のアフリカの状況に合った新しい開発戦略を考える必要があると述べました。





続いてのパネルディスカッションでは、島田からそれぞれのパネリストに質問を投げかける形で進みました。現在のアフリカの産業化の現状をどう評価するか、またアフリカはどのような政策を取るべきかという質問に対し、ケープタウン大学のハルーン・ボラット教授は「産業の複雑性」という手法によりアフリカの産業化の現状を分析し、今後の産業化の方向性を予想するとともに、この手法が政策にも使えると述べました。また同じ質問に対して、スティグリッツ教授とともに今回発刊された書籍の編者を務めたコロンビア大学のアクバル・ノーマン教授は、産業政策には多くの種類があり、「産業」だからといって製造業だけにフォーカスして考えるべきではなく、農業の産業化、サービスの産業化も併せて考えていくことによりアフリカの経済発展を達成できるはずであると議論しました。


また、スティグリッツ教授がGDPに代わる指標として、複数の項目(非賃金労働、健康、教育、ガバナンス、社会、持続性など)により構成されるダッシュボード方式を提案していることに対してどう考えるか、との質問に対し、UNDPのペドロ・コンセイソン人間開発報告書室長は、人間開発指数のコンセプトとの共通点も多く、非常に興味深いアイデアであると述べました。その上で、UNDPが取りまとめる人間開発報告書の編者かつ執筆者でもあるコンセイソン室長は、同報告書が採用している人間開発指数の考え方の背景について説明し、今後、指標を見直すことを検討していると述べました。


最後にJICAにおけるエチオピアの産業政策対話に関わってきた経験からコメントを求められたJICA研究所の大野研究所長は、これまでの政策対話の経験を説明した上で、特にLearningが重要であると述べました。また、東アジアの経済発展モデルを単にまねるのではなく、そこから学んだエッセンスをエチオピアの文脈の中で応用して生かすことにより現在の発展を成し遂げた軌跡を説明し、Learningプロセスや、どのようにLearningを現状に生かすかという視点が重要と強調しました。そして、国際社会への示唆として、ポリシースペースを許容する政策対話に取り組む意義について述べました。


質疑応答では、アフリカの政治におけるガバナンスの低さが質の高い成長を阻害しているのではないかとの質問に対する議論が行われるなど、アフリカの質の高い成長への関心の高さがうかがわれました。

スティグリッツ 教授(ノーベル経済学賞)を明治大学にお迎えしセミナー実施

 2019年8月27日、ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ教授とともに、ハフェズ・ガネム世界銀行・副総裁、アクバル・ノーマン教授(コロンビア大学)をお招きして明治大学でセミナーを実施しました。1100名入る会場でセミナーを実施したのは初めて。

 ゼミ生はセミナーの総合司会、受付、誘導、広報用カメラ撮影などに大活躍しました。

 また、JICA研究所、コロンビア大学、明治大学の関係者の方々に大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。


   セミナーの総合司会を務めたゼミの4年生




   受付、誘導、広報など総勢26名のゼミ生が大活躍!
  
 また、セミナー終了後、今度はスティグリッツ先生をゼミに参加いただきじっくりと話し合う時間をいただきました(こちらは別に記事を書きます)。

 (以下はセミナーの報告です)

 2019年8月27日、明治大学・コロンビア大学・JICA研究所による共催セミナー「ノーベル経済学賞・ジョセフ・スティグリッツ教授と議論する『グローバル化する世界とアフリカ—SDGsの達成に向けて』」を明治大学で開催しました。




     スティグリッツ教授の基調講演の様子

 グローバル化の進展とともに、各国間および各国内において格差が広がっています。このセミナーでは、特にグローバル化がアフリカにどのように影響を与えているか、今後、どのように成長していくかをテーマに掲げて議論が交わされました。

 セミナー冒頭、明治大学の土屋恵一郎学長は「経済成長に伴う環境や気候変動などの問題をどのように解決していくかが重要。アフリカに関する議論を通じて日本の向かうべき方向を考える機会にできれば」と述べました。


           土屋学長の挨拶

 続いて開会のあいさつに立ったJICA研究所の藤田安男副所長は、2008年以来続いているスティグリッツ教授が率いるコロンビア大学IPDとJICA研究所との共同研究に触れ、これまでに研究成果として発刊された3冊の書籍や最新刊『Quality of Growth in Africa(アフリカにおける質の高い成長)』は、アフリカにおける開発の実務者、そしてJICAがアフリカの課題を解決するための業務や研究を行う上での指針となるだろうとの考えを述べました。


          藤田副所長の挨拶

 スティグリッツ教授の基調講演では、アフリカの開発や経済成長については従来にはない新しい考え方が必要である点が、さまざまな角度から論じられました。

 例えば、かつて東アジアに経済成長をもたらした輸出主導型の製造業モデルは、AI、暗号通貨、SNSなどの「雇用を減らす」新しい技術のイノベーションが進んだため、そのままでは現在のアフリカでは機能しないであろうと述べました。
 
 さらに、先進国・途上国間の差を埋めるためには、雇用を新たに生むようなイノベーションと、ラーニング(生産者の能力を向上させるための学習)が必要であり、経済発展の源泉であると述べました。

 また、2016年の「ストックホルム声明」にもあるように、そもそもGDP成長はそれ自体が目的ではないと述べ、成功の尺度をGDPといった経済指標だけに求めるのではなく、人的および社会資本に資する「成長の質」を問うべきだと強調しました。

 このスティグリッツ教授の基調講演の資料(PDF)は、以下の大学ウェブサイトからご覧ください(HPの後半にあります)。


 続くパネルディスカッションでは、島田がモデレーターを務め、各パネリストに質問を投げかけパネリストが応える形でパネルが進行しました。パネルに参加したのはスティグリッツ 教授に加え、世界銀行のハフェズ・ガネムアフリカ地域担当副総裁とコロンビア大学のアクバル・ノーマン教授です。




   

        パネルディスカッションの様子


      世界銀行のハフェズ・ガネム副総裁

 ガネム副総裁は、膨大な天然資源を持つアフリカは「最後のフロンティア」であると、ポジティブな見方を示しました。また、全人口の3分の2が25歳以下という点においては、人的資源や教育、ジェンダー、保健への投資が非常に重要であると指摘。課題である雇用の創出、汚職の根絶などにテクノロジーが大きな貢献を果たせると希望を示しつつも、インターネットへのアクセスが他国と比べ高額な国があることにも触れ、適切な競争政策や不平等を是正する公的プラットホームを講じる必要があると述べました。



   コロンビア大学のアクバル・ノーマン教授

 ノーマン教授は、環境問題や雇用も含めた広い意味での産業政策が質の高い成長のためには必要であると強調しました。例えば環境問題では、気候変動における「緩和策」への技術開発が、アフリカに技術面での躍進をもたらす可能性があると言及。世界各地の先進的な経験も教訓に、学習・産業・技術を一体化した政策(learning, industrial, and technology (LIT) policies)が、持続可能な成長をもたらす一種の構造転換を引き起こすだろうと期待を込めました。



 最後に、明治大学情報コミュニケーション学部の大黒岳彦学部長が閉会のあいさつを述べ、日本でスティグリッツ教授らと議論を共にする貴重な機会となったセミナーを締めくくりました。


          
大黒岳彦学部長


       セミナー前の学長とスティグリッツ 教授


          めいじろうとともに

新刊本の紹介スティグリッツ他(編)「Quality of Growth in Africa」

来週、8月20日にスティグリッツ他(編)による「アフリカにおける質の高い成長(Quality of Growth in Africa)」と題した本がコロンビア大学出版会より出版になります(Kindleでも発売予定)。これはJICA研究所とコロンビア大学の共同研究の成果として出版されるものです。




少し分厚い本なので全部を読むのは難しいと思いますが、オススメはスティグリッツ他による本全体を要約しているIntroductionです。今はまだ読めませんが、イントロについては以下のサイトのGoogle Previewというボタンを押すと無料で読めるようになるらしいです(ちなみにこれまで我々が出した「アフリカにおける経済構造転換」と「開発金融の役割」をテーマにした本のイントロはすでに読めますので、ぜひ!)

https://cup.columbia.edu/book/the-quality-of-growth-in-africa/9780231194761


この研究はもともとは南アフリカで行なった研究会で、「南アフリカではGDPは高成長を示していても、国内の格差や特に黒人の失業率は悪化している。経済の指標としてのGDPを見直す必要があるのではないか」との問題提起から研究が始まったものです。各章ではGDPのみを重視するのではないダッシュボード方式の提案や、WTO下の国際ルールが敷かれる中で途上国の政策の余地はどこにあるかを経済史から探った論文の他、雇用、産業のあり方、環境問題、都市化の観点からアフリカにおける経済成長のあり方を検討しています。


編者はスティグリッツ(コロンビア大学)、ラビ・カンブール(コーネル大学)とアクバル・ノーマン(コロンビア大学)です。


扱っている主なトピックと執筆者は次のようなものです。

(1)GDP、格差、雇用

・GDPを超えて ー 複合指標からダッシュボード・アプローチへ:Lorenzo Fioramonti(プレトリア大学)

・格差と貧困:Andy McKay(サセックス大学)

・雇用の質:Moazam Mahmood(LSE)


(2)質の高い成長のための構造転換

・途上国を取り巻くWTOなどの経済ルールの歴史的な検討:Ha-Joon Chang(ケンブリッジ大学)他

・国際協力から考える質の高い成長のための構造転換:細野昭雄(JICA研究所)


(3)農業の産業化、産業の高度化、グローバル・バリュー・チェーン:Christopher Cramer(SOAS)、Haroon Bhorat(ケープタウン大学)、Antonio Andreoni(SOAS)、Simon Roberts(ヨハネスブルグ大学)


(4)環境問題

・気候変動:Ben Orlove(コロンビア大学)

・環境規制はアフリカの産業の競争力を下げるか?ー グリーン産業政策の可能性:島田剛(明治大学 / JICA研究所)


(5)都市化

・都市化:Takiwaa Manuh(ガーナ大学)他

・都市間の移動、貧困、仕事:Luc Christiaensen(世界銀行)他

・分配:Gabriella Carolini(MIT)

ちなみに上に書いたこれまでの本でイントロがすでに読めるのは次の本です。

(開発金融の役割)

Efficiency, Finance, and Varieties of Industrial Policy

https://cup.columbia.edu/sampler/9780231542777/google-preview

(アフリカにおける経済構造転換)

Industrial Policy and Economic Transformation in Africa

https://cup.columbia.edu/sampler/9780231540773/google-preview

なお、829日にはスティグリッツ教授を迎えて以下の通り横浜でセミナーを開催する予定です。この本について直接、話を聞ける機会ですのでぜひご参加ください。

申し込みおよび詳細についてはこちら↓から。

https://www.jica.go.jp/jica-ri/ja/news/event/20190829_01.html



『アフリカの質の高い成長-持続可能、包摂的かつ強靭な開発を目指して』


日時:2019/8/29() 11:45~13:45

場所:ヨコハマ グランドインターコンチネンタルホテル「シルク」


1.  アフリカの過去10年間の経済成長や経済構造変化をどう評価するか?

2.  アフリカが質の高い成長を達成するための課題は何か?

3.  国際社会はアフリカの質の高い成長をどのように支援すべきか、TICADの役割とは?


(登壇者)

・ジョセフ・スティグリッツ コロンビア大学 教授

・アクバル・ノーマン コロンビア大学 教授

・ハローン・ボラット ケープタウン大学 教授

・大野 泉 JICA研究所 所長

・島田 剛 明治大学 准教授

UNDPTBC

スティグリッツ教授とのセミナー「アフリカの質の高い成長」を開催します

アフリカの質の高い成長-持続可能、包摂的かつ強靭な開発を目指して-

スティグリッツ教授(ノーベル経済学賞)をお迎えして、セミナー「アフリカの質の高い成長-持続可能、包摂的かつ強靭な開発を目指して」を横浜のグランドインターコンチネンタルホテル「シルク」で開催します。

申し込みはこちらから。

日時:2019/8/29(木) 11:45~13:45

背景:
 1993年以降、日本政府が主導し他機関と共に開催してきたTICADは今夏7回目を迎える。この間、アフリカ諸国は目覚ましい発展を遂げたが、同時に構造的な課題や新たなチャレンジに直面している。今般、長年、アフリカの経済開発について研究を重ねてきたコロンビア大学Initiative for Policy Dialogue(IPD)のジョセフ・スティグリッツ教授を招聘し、特に最近10年間のアフリカの経済構造変化を総括し、今後を展望するとともに将来のTICADの役割を考える。併せて、JICA研究所とコロンビア大学IPDの第4次共同研究“Quality Growth in Africa”の成果を発表する。

  1. アフリカの過去10年間の経済成長や経済構造変化をどう評価するか?
  2. アフリカが質の高い成長を達成するための課題は何か?
  3. 国際社会はアフリカの質の高い成長をどのように支援すべきか、TICADの役割とは?
なお、本についてはこちらをご覧ください。


章立ては以下の通りです。

Introduction. Quality of Growth in Africa: An Overview, by Ravi Kanbur, Akbar Noman, and Joseph E. Stiglitz

Part I. Gross Domestic Product, Equity, and Employment
1. Beyond GDP: Measuring the Quality of Growth in Africa, by Lorenzo Fioramonti
2. Recent African Growth Experience: Poverty, Equity, and Political Stability, by Andy McKay
3. The Quality of Jobs and Growth in Sub-Saharan Africa, by Moazam Mahmood

Part II. Structural Transformation for Quality Growth
4. New Global Rules, Policy Space, and Quality of Growth in Africa, by Antonio Andreoni, Ha-Joon Chang, and Isabel Estevez
5. What Should Africa Learn from East Asian Development?, by Jomo Kwame Sundaram
6. Economic Transformation for High-Quality Growth: Insights from International Cooperation, by Akio Hosono

Part III. Economic Transformation: Industrializing Agriculture, Complexity, and Global Value Chains
7. Oranges Are Not Only Fruit: The Industrialization of Freshness and the Quality of Growth, by Christopher Cramer and John Sender
8. Sub-Saharan Africa’s Manufacturing Sector: Building Complexity, by Haroon Bhorat, Ravi Kanbur, Christopher Rooney, and François Steenkamp
9. A Generalized Linkage Approach to Local Production Systems Development in the Era of Global Value Chains, with Special Reference to Africa, by Antonio Andreoni
10. (Re)shaping Markets for Inclusive Economic Activity: Competition and Industrial Policies Relating to Food Production in Southern Africa, by Simon Roberts

Part IV. Environment
11. Climate Change and the Quality of Growth in Africa, by Ben Orlove
12. Does Environmental Policy Make African Industry Less Competitive? The Possibilities in Green Industrial Policy, by Go Shimada

Part V. Urbanization
13. Urbanization and the Quality of Growth in Africa, by Takyiwaa Manuh and Edlam Abera Yemeru
14. Migrants, Towns, Poverty, and Jobs: Insights from Tanzania, by Luc Christiaensen, Joachim De Weerdt, Bert Ingelaere, and Ravi Kanbur
15. Distributing Benefits from Africa’s Urban Growth, by Gabriella Y. Carolini



ジョセフ・スティグリッツ教授と議論する『グローバル化する世界とアフリカ』明治大学×JICA×コロンビア大学白熱教室

受け付けはすでに終了しています。


English follows Japanese.
ジョセフ・スティグリッツ教授(ノーベル経済学賞)と議論する
『グローバル化する世界とアフリカ』
TICAD7パートナー事業  
明治大学×JICA×コロンビア大学白熱教室



開催日時:2019827日(火)14:0016:00

開催場所:明治大学駿河台キャンパス アカデミホール(アカデミーコモン3F)← 参加希望者が多いためより大きなホールに変更となりました。

言語:日本語/英語(同時通訳)

 

イベント内容

グローバリゼーションの進展とともに世界的に国内での格差の拡大、国と国の間での格差の両面が問題となってきている。特に世界的にはアフリカがどのように経済発展するかが課題である。スティグリッツ教授はイノベーションと「ラーニング」(生産性を向上させるための学習)が経済発展の源泉であると論じている。そして日本の高度経済成長を可能にした要因であったとも議論している。「ラーニング・ソサエティ」を築くことが先進国での格差拡大を食い止め、アフリカの経済発展をも実現するカギとなるのかセミナーを通じて議論を深めます。

 

プログラム

挨拶:明治大学学長 土屋恵一郎

   JICA研究所副所長 藤田 安男

基調講演:ジョセフ・スティグリッツ教授(コロンビア大学)

パネル・ディスカッション:

   ジョセフ・スティグリッツ教授(コロンビア大学)

   ハフェス・ガネム世界銀行副総裁

   アンジェラ・ルシギ(国連開発計画)アフリカ地域局・戦略顧問

   アクバル・ノーマン教授(コロンビア大学)

   島田剛准教授(明治大学、JICA研究所、コロンビア大学)


閉会の辞:明治大学情報コミュニケーション学部長 大黒岳彦


※会場の都合上、途中入退場はお断りする場合がございますので予めご了承ください。

 

講師紹介

ジョセフ・スティグリッツ(Joseph E. Stiglitz)/コロンビア大学教授。1943年生まれ。クリントン政権の大統領経済諮問委員会委員長、世界銀行チーフエコノミストなどを歴任。2001年、「情報の経済学」に関する研究でノーベル経済学賞を受賞。行動する経済学者としても知られ、世界各地を巡りながら経済の現状を冷静に分析する。近著に「スティグリッツのラーニング・ソサイエティ(東洋経済)」。

受け付けはすでに終了しています。
セミナーの詳細および参加登録はこちらから.


開催場所へのアクセス:
https://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
東京都千代田区神田駿河台1-1
■JR中央線・総武線/御茶ノ水駅(駅番号: JC03・ JB18)下車徒歩約3分 
■東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅(駅番号: M20)下車徒歩約3分 
■東京メトロ千代田線/新御茶ノ水駅(駅番号: C12)下車徒歩約5分 
■都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線/神保町駅(駅番号: I10・ S06・ Z07)下車徒歩約5分 



主催 
明治大学、国際協力機構(JICA)、コロンビア大学



Pre - TICAD 7 Event:

Globalization and Achieving the SDGs in Africa

 

Co-organized by Meiji University, JICA (Japan International Cooperation Agency), and IPD (Initiative Policy Dialogue), Columbia University

 

–Keynote Speech by –

Prof. Joseph E. Stiglitz, Columbia University, Nobel Laureate

 

–Opening Remarks by –

Prof. Keiichiro Tsuchiya, President, Meiji University

Mr. Yasuo Fujita, Deputy Director, JICA Research Institute (JICA-RI)

 

–Panel Discussion by –

Prof. Joseph E. Stiglitz, Columbia University, Nobel Laureate

Dr. Hafez Ghanem, Vice President, World Bank

Dr. Lamin Momodou Mnammeh, Director, Regional Service Centre for Africa, UNDP
Prof. Akbar Norman, Columbia University

Assoc. Prof. Go Shimada, Meiji University (Visiting Scholar, JICA-RI and Columbia University) 

–Closing Remarks by –

Prof. Takehiko Daikoku, Meiji University 

Tuesday, August 27, 2019, from 14:00 p.m. to 16:00 p.m.

at Academy Hall, Academy Common 1F, Surugadai Campus,

 Meiji University,  

Registration required.Please check the seminar detail from the JICA HP.


【国際開発ジャーナル7月号に掲載:ゼミ生TICAD7提言】

【国際開発ジャーナル7月号に掲載:ゼミ生TICAD7提言】

71日発売の国際開発ジャーナル7月号にゼミ生たちが取り組んできたTICAD7に対する提言が掲載されました(見開き2ページ)。「人にやさしい発展で暮らしやすいアフリカへ ー TICAD7に向けて2つの視点でアフリカ開発のあり方を提言」というものです。ゼミ生たちは頑張ったと思います


国際開発ジャーナルの皆さま、取り上げていただき、ありがとうございました。


提言をつくる、ということになったのは後期の授業が全て終わった春休み。原稿の締め切りが5月末だったこともあり、4年生は就職活動のプレッシャーがかかる中、春休みは自分たちで合宿し、4月以降もリクルートスーツを着たまま、入ってきたばかりの3年生たちとともにTICAD7提言の打ち合わせをしていました。


内容的は私もアドバイスをしましたが、開発経済学の理論なども踏まえた上で、全体的に自分たちのこだわりで作り上げていきました。12名で2800字なので論文を書くのとはまた違う、全員の意見を調整して全体の流れを整えるという難しさがあったと思います。


最後になりましたが、学生たちの取り組みに対してご協力いただいた方々に心から感謝を申し上げたいと思います。外務省、国連、JICANGO、民間会社の方まで40名近くに登ります。提言案を読み込んでいただき、長いコメントを頂いた方も少なくありませんでした。インタビューに行くたびに学生たちが少しづつ成長していく姿を見るのは教員としての喜びでもありました。


学生たちはここを出発点に、今度は論文作成にかかります。また色々な方にお世話になるかと思います。卒業までにどこまで仕上げられるのか楽しみにしています。


(ゼミのHPで次の方々へのインタビューを掲載しています(肩書きは当時のもの、順番は掲載順(新しいものから))。あわせてご覧いただければ幸いです)。

https://researchmap.jp/goshimada/seminar/


・紀谷昌彦さん(外務省 中東アフリカ局アフリカ部・国際協力局参事官TICAD担当大使)

・坂本篤紀さん(外務省 国際協力局・国別開発協力第三課・課長補佐)

・近藤千華さん(UNDP(国連開発計画)TICAD連携専門官)

・加藤隆一さん(JICA  アフリカ部長)

・松島恭範さん(元JICAケニア一村一品プロジェクト・チーフアドバイザー)

・稲葉誠さん(JICA  国際協力専門員)     

・浦野 義人さん(JICA  産業開発・公共政策部 民間セクターグループ)

・田中信行さん(国際開発ジャーナル 企画・営業部部長)と吉岡資(編集・出版部部長(「国際開発ジャーナル」編集長代理))

・鈴木宏子さん(国連世界観光機関(UNWTO: United Nations World Tourism Organization)駐日事務所代表補佐・国際部長)、アリアナ・ルキン・サンチェス(同事業・広報部課長)

・吉澤啓さん JICA アフリカ部参事役、榊将乃介さん JICA 南アジア部調査役

・北島暖恵さん(JICA・マラウイSHEP(市場志向型小規模園芸農業推進)プロジェクト・チーフ)


電線も震災前と同じように - 陸前高田・気仙町

週末は国際開発学会。学会後のスタディ・ツアーで「マルゴト陸前高田(一般社団法人)」の案内で陸前高田の気仙町を見学させていただきました。

案内をしていただいたマルゴト陸前高田のNさんはこの地区の生まれて、今もそこに住まれている方とのこと。さまざまな個人的なお話もとりまぜながら、復興の現在地点についてうまくいっている面、そして難しい面(合意形成の難しさと、それによる復興の遅れ)などを教えていただきました。そのお話は迫力があり、真摯に町の復興に取り組んでいる姿勢がひしひしと伝わってきました。



写真は気仙町小学校。印象深かったのは写真にわずかに見えている電線。今の技術では地下に埋めることもできるが、町の人たちは震災前の「電線のある町」にこだわったとのこと。

不思議な話だと思っていたら理由があるとのこと。この町の人たちが楽しみにしている「けんか七夕まつり」の山車(だし)が電線の下を通る時、山車が高いため電線を持ち上げて山車を通していたらしい。そんなことも含めて震災前のままに戻したいという町の人たちの強い希望があったためだという。

また、写真の真ん中の煙突のあるような建物、けんか七夕まつりの太鼓を町のひとたちが集まり練習できるように予算や行政上の制約の中で工夫して作られたらしい。

それほどこの町の人たちが大切にしているけんか七夕祭り、4つの地区の山車をぶつけるという勇壮なお祭りらしい。同じ町の中でも4つの地区ごろに「地区愛」が強かったとのこと。

しかし、津波の被害を大きく受けた地域もあり、山車は1つに。それをもう1台製作し、今年からはもともとあった町の名前をつけてケンカをすることに。

町外に自宅を再建した人たちも多いらしいが、こうした町や地区へのつながりが復活することで町が活気づいたり人が戻ってくることにつながるのだろう。

私にとって陸前高田は震災直後に訪問して以来、2回目。その時は宿泊できる施設がまだなく町の雰囲気もかなり違うものでした。私にできることはあまりないけれど、また戻ってきたいと思います。

今年の国際開発学会・春季大会はとても学会での議論も面白く(コメンテーターをさせていただいたセッションの論文がとても面白かった)、またこのスタディ・ツアーも色々と考えさせられるものでした。実行委員会の方々、そして陸前高田で受け入れをしていただいた方々に御礼を申し上げたいと思います。

TICAD 7にむけて:スティグリッツ教授との共同研究「アフリカにおける成長の質」

【TICAD 7にむけて:スティグリッツ教授との共同研究「アフリカにおける成長の質」】


JICA研究所の研究プロジェクトとしてスティグリッツ教授らと5年前から準備してきた本、ようやくに掲載されるところまでたどり着きました。


https://cup.columbia.edu/book/the-quality-of-growth-in-africa/9780231194761?fbclid=IwAR3R1z4-zS0TEMhWA4FlFSwtMGWRRA1L0IXkHxpYWLHl2TyeYT3GUxgJugE



TICAD 7本番の8月の出版にもなんとか間に合います。私にとってはスティグリッツ教授、アクバル・ノーマン教授らとの3冊目の本になります。


5年前から準備を開始し準備時間は十分あると思っていたけれど今回はなかなか全体がうまく進まず、正直、出版までたどり着かないのではと半ばあきらめていました。

なによりもこのプロジェクトでお世話になった歴代のJICA研究所の関係者の方々にお礼を申し上げたいです。

先週、ようやく最終校の確認が終わり、こうして広告もでたので一安心です。

今回の私の章は「Does Environmental Policy Make African Industry Less Competitive? – The Possibilities in Green Industrial Policy」という産業化と環境の両立にかかわるものです。

まだ、目次のページがHPには掲載されていませんがHa-Joon, Chang(ケンブリッジ), Luc Christiaensen(世界銀行)、細野昭雄先生(JICA)などしっかりとした執筆陣だと思います。今回は編者にRavi Kanbur(コーネル)も加わり、まだ執筆陣に文化人類学者のBen Orloveが参加したのも特徴と言えると思います。

出版まであともう一息、一つ一つを大切にしながらいきたいです。

(参考情報)
ここに至るまでの研究会の様子の一部はコロンビア大学の以下のサイトでも見れます(英語)。
http://policydialogue.org/…/the-quality-of-growth-in-sub-…/…

http://policydialogue.org/…/the-quality-of-growth-in-sub-…/…

JICA研究所のサイトではこちら(日本語)
https://www.jica.go.jp/jica-ri/ja/news/topics/post_308.html
https://www.jica.go.jp/jica-ri/ja/news/topics/post_321.html
https://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/news_topics/news20160722/

国際開発学会・第20回春季大会のプログラム

6月に陸前高田で行われる国際開発学会のプログラムが発表になっています。

今回は開催校が受け入れを中心にする通常の学会と違います。開催の準備はかなり大変そうなことが想像されますが、仕事ぶりがとても丁寧で実行委員会の方々の思い入れが伝わってきます。

プログラムもなかなか面白そうな発表テーマが並んでいます。災害復興と国際開発の議論も楽しみ(私の専門の1つは災害復興)。

今回は「ブックトーク」という新しい取り組みがあります。佐藤寛さん(アジ研)と道中真紀さん(日本評論社)の企画によるもの。著者がそれぞれの本を紹介するというもの。

私はこの1月に出版された大塚啓二郎・杉原薫(編)「Paths to the Emerging State in Asia and Africa」(Springer)を紹介する予定。樋口裕城さん(名古屋市大)と私の共著による章を中心に。

ちなみに、章を書かせていただいた湖中真哉・太田至・孫暁剛編「地域研究からみた人道支援 ―アフリカ遊牧民の現場から問い直す」(昭和堂)の紹介もあります。紹介者は湖中先生。

発表者や座長、コメンテーターのお名前をみると久しぶりにお会いできそうな人が多くいて、今から楽しみです。

HPが立ち上がりました(アフリカ遊動社会における接合型レジリアンス探求による人道支援・開発ギャップの克服)

私も参加させていただいている研究「アフリカ遊動社会における接合型レジリアンス探求による人道支援・開発ギャップの克服(科研費(A))」(代表:湖中真哉先生(静岡県立大学))のHPが立ち上がったとのことなので共有させていただきます。

京大の孫暁剛先生が撮影された写真(2枚)がとっても印象的。こんな写真を撮ってみたい。

市場(スーク)の中の女の子

松井彰彦先生の「向こう岸の市場」が面白かったので、久しぶりに「市場の中の女の子」を読み直す。やさしい語り口と、同じくやさしく異国情緒をたたえた挿絵がとても好き。

市場(スーク)の中の女の子
松井 彰彦
PHP研究所(2004/10/21)



いろいろな人がいればいろいろな夢があり、希望があり、欲望がある。場所が変われば、夢や希望や価値観も変わる。それに応じて、市場の役割も変わる。

「欠乏」が課題であった時代と、「幸せとは何か」が課題である現代では経済学が扱う課題も違う。いずれも当たり前のことだけれど、読むと「ああそうだった」と思わせられる本。

松井彰彦「向こう岸の市場」(勁草書房、2007)

東大の松井彰彦先生によるギリシャを舞台にした物語。色々な思索に誘われる味わい深い一冊。美しい詩的な語り口と、とてもステキな挿絵に惹かれて手にとった。
向こう岸の市場
松井 彰彦
勁草書房(2007/08/29)


経済学を学ぶ前に読むのもいいし、あるいは深く学んでさらに経済学そのものをさらに深く考えるにも役に立つと思う。

古代アテネが国内で民主政治を確立した時代。この時代をナギとナミという2人の子供たちがアテネの指導者ペリクレスの「妻」アスパシアと「歴史の父」ヘロドトスの影響を受けながら大人になっていく物語。

しかし、読み進めるうちにこの美しく、どこかおとぎ話のような世界が「現代の寓話」であることに気が付かされる。

  • 民主的な国家であるアテネが対外的には軍事力を通じて帝国として他国を支配しようとするというジレンマ。

  • 移民に対する「市民」による純血主義。

  • そして戦いの中で拷問にあい障害者となるナギと、ナギを愛するナミの二人をとりまく社会、などなど。

このギリシャを舞台にしたおとぎ話で語られているのは、我々の社会のあり方そのもの。

物語は、最初は市場(アゴラ)から始まる。そこで必要とされるのは「健全な利己心」。

しかし、だんだんと話は国家間に拡大する。

国家運営で必要なのは「健全な利他心」。しかし、国家のことを慮(おもんばか)るあまり、その「健全な利他心」が戦争(あるいは移民に対する差別)を引きおこしてしまう。

オイコス(共同体)のあり方(ノモス)を問うオイコノミコス(経済学)。国家(ポリス)のあり方をとるポリティカ(政治学)。

オイコノミコスとポリティカの先に未来があるのかもしれない。経済学のもっと先まで考えさせてくれる本だと思う。

【開戦の日に ー 最も静かなものは空である】

評論家の加藤周一氏の大学生時代などのノートがオンラインで読めるようになったと聞いたので、さっそく読んでみる(立命館大学・図書館)。

特に興味深かったのは、真珠湾攻撃の日のノート(「青春ノート」の一部。当時、加藤氏は21才の医学生)。

「最も静かなものは空である。今日、冬の空は青く、冷たく澄んでいる。水のように静かだ。ヴェルレーヌの聖なる静寂を想わせる。(中略)電車の中で、ひとは皆、新聞を読んでいる。恐らくは繰り返し読んでいる。」

開戦の日でもあっても、人々の生活は毎日と同じであったことを感じさせる。また、筆者が内的な静寂を保つことによって外的な状況に抗おうをしていたということもあるのだろう。

こうしたノートは全集にも入っていないし、加藤周一の全体像を知るのにとても貴重だと思う。

そして、綺麗に整った文字で書かれたノートにも感心してしまう(私のノートはいつも乱雑なので・・・)。

私がJICAの新入職員であった頃、館長をされていた広尾の東京都立図書館の館長室に友人たちに誘われてお伺いしたことが何度かあった。いつもペンでノートや原稿用紙に原稿を書いておられた(おそらく朝日新聞で連載されていた「夕陽妄語」の原稿だったのだと思う)。

活字ではなく、文字で見ると大学時代の先生の講義の時の板書だったりを思い出してしまう(立命館大学の講義を勝手に聴講しに行っていました)。

鷲巣力先生を中心としたこうした保存の試みはとても大切だと思う。

第1回・開発経済学会 Call for Papers

【ご案内】第1回・開発経済学会 Call for Papers
第1回・開発経済学会のCall for Papersがプログラム委員会から出されましたので以下に貼り付けておきます。

Call for Papers: 1st JADE Conference


Dear All,

As a successor to Hayami Conference in the memory of Prof. Yujiro Hayami, the Japanese Association for Development Economics (JADE) was established on March 1, 2019. The First JADE Conference will be held on the afternoon of August 1 (Thursday) and the full day of August 2 (Friday), 2019, at the Mercury Tower, Hitotsubashi University (2-1 Naka, Kunitachi, Tokyo). The JADE Conference will be supported by the Hitotsubashi Institute for Advanced Study (HIAS) as a part of Hitotsubashi Summer Institute 2019 (HSI-2019), which is an annual series of conferences on economics.

We welcome submission of papers on economic development for presentation at this conference.  In the tradition of late Prof. Hayami (1932-2012), who took a pedestrian approach to economic research and developed the Hayami Development Economics highlighting the complementary roles played by community, market, and the state, the conference scope of topics includes: agriculture and rural development, industrial development, human capital investment, entrepreneurship, employment, social network, microfinance, income distribution, poverty, risk coping, healthcare, public service delivery, political economy, conflicts, natural disasters, and environment. Please submit your extended abstract (1-2 pages) or full paper to the following address no later than the due date.

Hayami Conference had been a forum for discussion about research in economic development, where many prominent researchers including Prof. Stefan Dercon, Dr. Markus Goldstein, Prof. Dean Karlan, Prof. Oriana Bandiera, Prof. Melissa Dell, and Prof. Gary Fields were invited in recent years. In continuation of this tradition, we will invite guest speakers from abroad as well. Those whose paper/abstract is accepted for presentation are expected to join JADE as a member, either full member or student member.

*************************************************
Due: June 16 (Sunday), 2019 (11:59pm Japan time)
Send to: conference@jade2019.sakura.ne.jp
*************************************************

The selection results are expected to be notified by June 30. Those who want to participate in the 1st JADE Conference need to register in advance from the HSI-2019 web, whose information will be sent in early July. Please circulate the information to those who may be interested in it.

We look forward to receiving many submissions!

Sincerely yours,

Program Committee for the 1st JADE Conference, 2019
 Takashi Kurosaki (Hitotsubashi University)
 Yukichi Mano (Hitotsubashi University)
 Jun Goto (Kobe University)
(The program committee will be expanded when more people join JADE.)

-----
開発経済学会
Japanese Association for Development Economics (JADE)
For inquiries: info@jade2019.sakura.ne.jp

【ご案内】開発経済学会設立について

【ご案内】開発経済学会設立について / Establishment of Japanese Association for Development Economics
(See below for English) 

この度、新しく「開発経済学会」(会長:大塚啓二郎、副会長:戸堂康之)が設立されましたので共有させていただきます。ぜひご入会をご検討いただくとともに、情報の共有・拡散にご協力いただければ幸いです。

(以下はメールを貼り付けたものです)
---------------------------------------------------------------------------------
                    2019年3月吉日 
                    開発経済学会 会長 
                    大塚 啓二郎
関係各位

この度、開発経済学の研究会として2001年以来、毎年開催していたHayami Conferenceを発展的に解消し、2019年3月1日を以て「開発経済学会」を設立いたしましたので、ここにご案内申し上げます。

本学会の設立趣意書と会則を添付致します。本学会の趣旨に賛同される方は、ぜひご入会くださいますようお願い申し上げます。その際は添付の申請書をご記入の上、以下のアド レスまでお申込み頂ければ幸いです。学会のウェブサイトは現在構築中ですが、完成次第ご案内させて頂きます。
(4月2日追記:ウエブサイトはこちらです→ 
http://www.jade.gr.jp

1_JADE設立趣意書.pdf
2_JADE会則_03012019.pdf
3_JADE入会申込書.docx

第一回大会は、8月1日~2日にはHitotsubashi Summer Institute (HSI) 2019の中の開発経済学セッションとして、一橋大学で開催する予定です。詳細は、近々プログラム委員会から別途案内を送付させていただきます。なお、JADE第1回大会参加者には、HSIのシステムを通じて、事前登録をお願いすることになります。

日本の開発経済学の発展、また開発実務へ貢献に寄与する学会を目指していく所存ですので、関係者各位のご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

【申請書送付先】 
  apply@jade2019.sakura.ne.jp
※学生会員希望者は、学生証のコピーもお送りください。 
※学会費は申請書の下欄にある口座までお振込ください。
【開発経済学会役員】 
会長:大塚啓二郎(神戸大学) 
副会長:戸堂康之(早稲田大学) 
常任理事:大槻恒裕(大阪大学) 
     加治佐敬(青山学院大学) 
     黒崎卓(一橋大学) 
     澤田康幸(アジア開発銀行、東京大学) 
     島田剛(明治大学) 
     鈴木綾(東京大学) 
     園部哲史(政策研究大学院大学) 
監事:工藤友哉(日本貿易振興機構・アジア経済研究所)

なお、多くの方々に連絡を差し上げておりますので、重複して本案内をお送りしてしまうこともあろうかと思いますが、ご容赦をお願いします。本案内の各方面への転送を歓迎いたします。 
                          以上
March 2019
Dear all,
I am very pleased to announce the establishment of the Japanese Association for Development Economics (JADE) as of March 1, 2019, which will succeed the Hayami Conference that has been held annually as a major academic conference on development economics in Japan since 2001.

With this note, we would like to invite applications for memberships to our association. The founding prospectus and the bylaw of the JADE are attached herewith. If you are interested, kindly fill in the Application Form attached and send it to the email address below. Our website is currently under construction and we will send another notification

The first conference will be held at the Hitotsubashi University on August 1 and 2, 2019 as a part of the Development Economics Session of the Hitotsubashi Summer Institute (HSI) 2019. A call for papers will be sent soon by our program committee. If you would like to participate in the first JADE conference, we will ask you to register through the HSI registration system.

We aim to further improve the quality of development economics research in Japan and to contribute to the development practice by sharing the research outcomes among researchers, practitioners, and policy makers of development programs. We hope to receive interests 
and supports from many of you.

[Submit Applications to:] 
  apply@jade2019.sakura.ne.jp 
* Applicants for student membership should also send a copy of their student ID cards. 
* Membership fees should be paid to the bank account as indicated at the bottom of the 
Application Form.

[JADE Executive Members] 
President: Keijiro Otsuka (Kobe University) 
Vice-president: Yasuyuki Todo (Waseda University) 
Directors: Tsunehiro Otsuki (Osaka University) 
  Kei Kajisa (Aoyama Gakuin University) 
  Takashi Kurosaki (Hitotsubashi University) 
  Yasuyuki Sawada (Asian Development Bank, The 
             University of Tokyo) 
  Go Shimada (Meiji University) 
 Aya Suzuki (The University of Tokyo) 
 Tetsushi Sonobe (National Graduate Institute for 
             Policy Studies) 
Auditor: Yuya Kudo (Institute of Developing Economies-Japan External Trade Organization)

Please accept my apologies if you receive duplicates of this email. We welcome you to forward this email to anyone who may be interested. Thank you very much.

Best regards,

Keijiro Otsuka 
President 
Japanese Association for Development Economics
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開発経済学会
Japanese Association for Development Economics (JADE)
Email: info@jade2019.sakura.ne.jp