講演・口頭発表等

2019年5月19日

プライマリ・ケアにおける65歳以上の受診者のインフルエンザワクチン接種要因の探索

第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
  • 梶川, 奈月
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  • 片岡, 義裕
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  • 後藤, 亮平
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  • 前野, 貴美
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  • 横谷, 省治
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  • 梅山, 翔平
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  • 高橋, 聡子
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  • 前野, 哲博

開催年月日
2019年5月19日 - 2019年5月19日
記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)
主催者
日本プライマリ・ケア連合学会
開催地
京都市

【背景】インフルエンザワクチンはインフルエンザ予防に対する有効性が示されているが、定期接種推奨者である65歳以上の接種率は50%程度であり、高いとはいえない。これまでにインフルエンザワクチン接種要因は報告されてきたが、本邦において特に接種が必要と考えられる65歳以上の受診者を対象とした調査は乏しい。
【目的】プライマリ・ケアにおける65歳以上の受診者のインフルエンザワクチン接種要因を明らかにする。
【研究デザイン】無記名自記式調査票による横断研究
【対象、セッティング】約180病床の病院内科外来、無床診療所外来の各1か所を2018年1月の2週間に受診した65歳以上の全患者。
【介入または主たる要因】年齢、性別、定期通院の有無、インフルエンザや予防接種に対する考え、医師から接種を勧められたか、医師への信頼( Trust in Physician Scale)を調査した。
【主たるアウトカム指標】調査年度の接種有無
【統計解析方法】調査年度の接種有無と各変数について単変量解析(Mann-Whitney U検定、カイ2乗検定)を行い、有意であった変数を独立変数として多変量解析(ロジスティック回帰分析)を行った。
【結果】377人の対象患者のうち、解析対象者は316人であった(有効回答率83.8%)。年齢は75.3±7.3歳、男性が52%であった。調査年度の接種率は57%で、医師から接種を勧められていたのは全体の27%であった。多変量解析の結果、調査年度の接種に関連があったのは、予防接種は有効であるという認識(OR: 4.73, 95%CI: 2.08-10.8)、 副反応が出る可能性は低いと思うという認識(OR: 0.33, CI: 0.15-0.74)、調査年度に医師から勧められた
経験がある(OR: 2.49, CI: 1.18-5.25)、年齢が高い(OR: 1.09, CI: 1.03-1.14)であった。
【結論】インフルエンザワクチン接種には有効性や副反応への認識、医師からの勧め、高齢であることが関連していた。医師からの勧めによりワクチン接種が増える可能性があると考えられた。