2019年
空間的に不均一な窒素沈着は落葉広葉樹林の窒素・炭素動態に影響するか?
日本森林学会大会発表データベース
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- 開催年月日
- 2019年 - 2019年
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 主催者
- 日本森林学会
<p>大気中の反応性窒素の生態系への過剰負荷による窒素飽和は、植物−土壌間での窒素動態だけでなく、森林の炭素蓄積機能にも影響を及ぼす。発表者らは、過去のデータからこのような影響は反応性窒素の乾性沈着の空間的不均一性に依存するという仮説を立て、大気・土壌・植物・陸水等の複数分野の専門家で構成される新しいプロジェクトを立ち上げた。研究対象地域として、源流域から窒素飽和が進行している可能性がある北海道標茶町の北海道研究林(落葉広葉樹林)の林内部と農畜産由来の大気アンモニアの沈着の影響を受けやすい林縁部に複数の調査区を設けた。2018年生育期の観測結果により、以下のことが明らかになった:林縁部では林内部に比べて、(1)大気アンモニアの地上濃度とその窒素沈着量は高く、(2)O層における有機物の炭素貯留量とC/N比は低かったがδ15Nは高く、(3)表層土壌(0–5 cm層)の細菌量が多く、(4)土壌中の硝酸態窒素の現存量と硝化活性がO層および表層土壌で高く、(5)立木の胸高断面積合計の増加量が高かった。発表では、これらの結果を紹介しながら本プロジェクトの仮説の妥当性を議論する。</p>