共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2021年3月

金属担持触媒によるエタンからエチレン及び芳香族化合物への転換

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
  • 斎藤 晃

課題番号
19J10015
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
1,900,000円
(直接経費)
1,900,000円
(間接経費)
270,000円
資金種別
競争的資金

近年のシェールガスや石油随伴ガスに含まれる安価なエタンの高付加価値化を目指し、エタンからエチレン及び芳香族化合物への転換のための触媒開発に取り組んだ。
エチレン製造触媒は、既存のエチレン生産プロセスであるエタンクラッカーに導入し、そのプロセスの省エネルギー化に貢献できる。エタンクラッカーは反応系にエタンと水蒸気が共存する系であり、水蒸気改質などの副反応を抑制できる触媒設計が求められる。エタンを効率的にエチレンへ転換するためには強固なC-H結合を選択的に解離させる必要がある。これまでのGa触媒の知見から、エタンの活性化には触媒の酸化還元能が重要であることが示唆されていたため、そのような材料としてペロブスカイト型酸化物に着目した。結果としてLaとMnに微量のBaを加えたペロブスカイト型酸化物が既存のGa触媒の5倍以上の性能を示すことを見出した。これはGa触媒と異なる機構で反応が進行することが要因であることを明らかとした。性能評価はエタンクラッカーの反応温度よりも100℃以上低い温度でエチレンを生産することができ、カナダでのパイロット試験も実施された。
エタンからの芳香族への転換は、ゼオライト触媒を用いた研究がなされてきた。従来、エタンから芳香族が生成する反応経路は、エタンの脱水素によりエチレンが生成した後に、エチレンが重合、環化されて芳香族が生成すると提唱されていた。この反応経路を明確にすることで、特定の芳香族(例えば付加価値の高いパラキシレン)を選択的に生成する触媒設計の指針が得られる。そこで、反応中間体であるエチレンを原料として芳香族が生成する経路の解明を行った。結果として、エチレンはゼオライト細孔の中で多環の芳香族へと転換され、この多環芳香族の側鎖(アルキル基)を介して芳香族が生成するという新たな反応経路を明らかにした。

リンク情報
論文
Co–CeO2 Interaction Induces the Mars–van Krevelen Mechanism in Dehydrogenation of Ethane
論文
Catalytic Dehydrogenation of Ethane over Doped Perovskite via the Mars-van Krevelen Mechanism
MISC
Catalytic conversion of ethane to valuable products through non-oxidative dehydrogenation and dehydroaromatization
URL
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19J10015/
ID情報
  • 課題番号 : 19J10015
  • 論文の業績ID : 32564785
  • 論文の業績ID : 32558934
  • MISCの業績ID : 32558933