- 担当区分
- 単著
- 出版者・発行元
- 九州大学出版会
- 総ページ数
- 224
- 担当ページ
- DOI
- ISBN
- 4798502774
雰囲気は、誰もが日常的に言及しうるが、実体をもたないために対象化を前提とする学問領域にとって取り扱いにくい事象・概念とされてきた。しかし人の経験や行為を扱う限り、ないがしろにすることも難しい。心理学においては、対象化しがたいものを対象化する方略によってこの難問を回避しようとした。しかしそれは、雰囲気の意味を不問に付すことにもつながった。
本書は、小学校の参与を通じて、私達の生きているところやその日々にとって、雰囲気とは何なのかを問い、そのための方法を求めるものである。第Ⅰ部では、心理学における雰囲気研究の歴史、および質的研究(定性的研究)に注目し、諸学問領域がどのように雰囲気を問い、取り扱おうとしてきたのかを明らかにする。そして、雰囲気を問うこと、あるいは雰囲気を問う道筋を求めることの意味を明確にする。この意味を受け止めつつ、具体的な道筋を求める第Ⅱ部は、雰囲気をめぐる問いがある小学校で子どもたちや先生たちと共に過ごす日々のなかに起きたことに契機を得て展開する。その試みは、「学校に(参与して)いる」ことの様相を明らかにし、そこでの雰囲気の意味を明らかにするものになった。
小学校の日々に生じた問いに始まったこの試みは、「ある場所に参与して問う」行為の可能性を考えるものでもある。今居る場所で何か大事なことを経験したとき、私達はその性格を変質させたり、価値や意義を損なったりすることなく、充分にそれについて問い話し始める道筋を十全に実現しうるのか、その可能性を求める試みとも言うことができる。
本書は、小学校の参与を通じて、私達の生きているところやその日々にとって、雰囲気とは何なのかを問い、そのための方法を求めるものである。第Ⅰ部では、心理学における雰囲気研究の歴史、および質的研究(定性的研究)に注目し、諸学問領域がどのように雰囲気を問い、取り扱おうとしてきたのかを明らかにする。そして、雰囲気を問うこと、あるいは雰囲気を問う道筋を求めることの意味を明確にする。この意味を受け止めつつ、具体的な道筋を求める第Ⅱ部は、雰囲気をめぐる問いがある小学校で子どもたちや先生たちと共に過ごす日々のなかに起きたことに契機を得て展開する。その試みは、「学校に(参与して)いる」ことの様相を明らかにし、そこでの雰囲気の意味を明らかにするものになった。
小学校の日々に生じた問いに始まったこの試みは、「ある場所に参与して問う」行為の可能性を考えるものでもある。今居る場所で何か大事なことを経験したとき、私達はその性格を変質させたり、価値や意義を損なったりすることなく、充分にそれについて問い話し始める道筋を十全に実現しうるのか、その可能性を求める試みとも言うことができる。
- リンク情報
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- 共同研究・競争的資金等の研究課題
- 「出会いと雰囲気の解釈学:小学校のフィールドから」
- ID情報
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- ISBN : 4798502774
- ASINコード : 4798502774
- EANコード : 9784798502779