共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

塩分濃度差発電用新規高効率・高安定性エネルギー変換システムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
21H04942
体系的課題番号
JP21H04942
配分額
(総額)
42,900,000円
(直接経費)
33,000,000円
(間接経費)
9,900,000円

本研究では国産の再エネ型ベースロード電源となり得るRED発電システムの実用化を目指して超薄膜・超低抵抗イオン交換膜, 凹凸流路一体型セルで構築された高効率SGE変換セル, RED前処理に特化した陽・陰イオン交換ナノファイバーろ過装置, スタック洗浄法, REDシミュレータおよび原型モジュールを開発する.
本年度では, 超薄膜・超低抵抗イオン交換膜を作製するために化学気相蒸着(CVD)により膜厚100nm以下の荷電膜を得ることに成功した. REDスタック内の流路形状が圧力損失に及ぼす影響について数値シミュレーションを行った結果,流路の出入口付近での圧力損失が大きく,この領域の流路幅を広げることで損失が小さくなることが判明した.また膜表面に凹凸構造を有するプロファイル(PF)膜を使用した流路に対して流体力学解析を行い,このPF膜を用いることで発電出力密度が1.4倍以上になる高効率SGE変換セルを開発した.
RED用前処理装置を構築するために生産性に優れたナノファイバー(NF)製造方法である溶液ブロー紡糸法を用いて負荷電を持つパーフルオロスルホン酸アイオノマーNFを作製した. また国内4つの下水処理場からサンプリングした下水処理水を分析した結果, 嫌気性処理を組み込んだ下水処理場がREDに適していることが判明した. またSGE変換ユニットを模倣した微小流路内に形成させたバイオフィルムを3Dイメージング技術で定量化し, 洗浄方法を検討した. その結果, スペーサーに付着したバイオフィルムに対し, 酵素洗浄が有効であることが判明した.
REDシステムを系統連携するために, 構築した RED シミュレータと絶縁機能を有しながら最大電力点追従制御を実現可能なDC-DC コンバータと連携インバータモデルを構築し,商用系統へ最大で 400 W の電力が注入可能であることを明らかにした.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H04942
ID情報
  • 課題番号 : 21H04942
  • 体系的課題番号 : JP21H04942

この研究課題の成果一覧

論文

  2

MISC

  1

講演・口頭発表等

  3