2020年6月9日
銀行間ネットワークモデルによる株式運用の銀行連鎖破綻への影響分析
第34回 人工知能学会 全国大会
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- 巻
- 2020
- 号
- 0
- 開始ページ
- 2L5-GS-13-02
- 終了ページ
- 2L5GS1302
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
- DOI
- 10.11517/pjsai.JSAI2020.0_2L5GS1302
- 出版者・発行元
- 人工知能学会
銀行など多数の金融機関が相互に複雑なネットワーク構造を形成している今日の金融システムは,局所的な変化がシステム全体の連鎖破綻を引き起こすといったシステミックリスクをはらんでいる. 本研究では,銀行による株式の運用方針や,系列企業との株式持ち合いによる制約が,銀行間ネットワークにおける連鎖破綻に与える影響を分析した. 具体的には,銀行間ネットワークを形成する銀行エージェントと,それ以外の投資家エージェントが参加する株式市場を模したマルチエージェントモデルを用いてシミュレーション実験を行った. 実験では,(1)株式の運用方針と(2)株式持ち合いについてパラメータを設定し,それらによる最終的な銀行の破綻数を分析した. 実験結果から,(1)株式の運用方針に関しては,各銀行の保有株式の数が多い場合や,保有株式についてリスクの大きい運用方針をとる場合には,連鎖破綻のリスクが大きくなることが確認できた. (2)また株式持ち合いについて,ほとんどの銀行が持ち合い株を保有している場合では,保有する株式に占める持ち合い株の割合が大きいと連鎖破綻のリスクが高まることが示唆された.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11517/pjsai.JSAI2020.0_2L5GS1302
- CiNii Articles ID : 130007856963