論文

2017年7月

神経症状を伴う急性巣状細菌性腎炎 症例報告とレビュー

小児内科
  • 有里 裕生
  • ,
  • 榎本 瑞生
  • ,
  • 白井 崇準
  • ,
  • 板垣 成孝
  • ,
  • 小嶋 絹子
  • ,
  • 和田 雅樹
  • ,
  • 鈴木 博
  • ,
  • 石黒 精
  • ,
  • 窪田 満

49
7
開始ページ
1058
終了ページ
1062
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)東京医学社

5歳9ヵ月女児。生来健康であったが、発熱、意識障害、けいれんを発症し、項部硬直を認め救急搬送された。髄液検査で細胞数2/3μL、髄液糖67mg/dL、髄液蛋白10mg/dLであり、セフォタキシム300mg/kg/日およびデキサメタゾン0.6mg/kg/日の静脈内投与を開始した。尿定性で白血球反応2+、亜硝酸塩1+、尿沈渣で白血球数5〜9/μLを認めたが、細菌性髄膜炎と誤診していたため尿培養は行わなかった。入院後深夜までに意識清明となり、2日目以降は解熱が維持され、髄液検査で細胞数増加を認めなかった。血液・髄液培養48時間までに有意な菌は同定されなかったが、入院4日目の全身造影CTにて右腎に区域性の血流欠損像を認め、急性巣状細菌性腎炎と診断した。セフォタキシムを200mg/kg/日に減量して10日間治療を行い、セファクロル内服へ移行し退院した。その後外来にて排尿時膀胱尿道造影で右腎の膀胱尿管逆流II度を認めたためセファクロル予防内服を継続した。

ID情報
  • ISSN : 0385-6305
  • 医中誌Web ID : 2017336666

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