2012年 - 2013年
高精度な空力騒音の数値予測に向けた真の音源の同定
文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(B)) 若手研究(B)
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 4,290,000円
- (直接経費)
- 3,300,000円
- (間接経費)
- 990,000円
- 資金種別
- 競争的資金
主流マッハ数0.2, 0.4の二次元角柱周りの流れから発生する空力音を対象とし, 主流マッハ数が発生音における散乱音と直接音の寄与に及ぼす影響や, 遠方の音場に寄与する主要な音源を明らかにすることを目的として, Lighthillテンソルを音源とした分離計算を行った. その結果以下の知見を得た.(1)Lighthillテンソルの第2, 3項の影響はマッハ数によらず無視できる程小さいことを確認した. (2)Lighthillテンソルに基づく空力音の分離計算により, 音の伝播角度に関するドップラー効果を予測可能であることが確認された. (3)圧力変動の大きさが極大となる角度で比較した際, M = 0.2では, 直接音は散乱音に比べ18dB程度小さく, 全体音に及ぼす影響も無視できるほど小さい. 一方, M = 0.4においては, 1.5dB程度小さいのみであり, 直接音が全体音に及ぼす影響も無視できない. そのため, M = 0.4では直接音を考慮した音場の予測が必要である.(4)角柱中心から20.5D程度下流までの領域 (渦6つ程度に相当) 内に遠方音場に寄与する主要な音源が存在し, このことは, 渦が角柱から放出される際に成長・変形することが音波の発生に寄与していることを示唆している. そのため, 音場を予測する際は, この領域の音源を流体解析において精度良く捉える必要がある.また,上記の音源探査手法は,アスペクト比が15の二次元平板まわり(平板長さ基準のレイノルズ数は87000)の流れにおいても有効であることを確かめており, 後流が乱流となる流れにも有効であると考えられる.上記の研究成果は機械学会論文集B編に掲載された.
社会貢献活動
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