教育セミナーに参加した移植医を対象とした調査により、大学病院と比較して総合病院では、腎移植に伴う精神科などとの連携が十分でないか必要性がないという意見が多く、臨床心理士やレシピエントコーディネーターが在籍していない施設が多いことが判明した。また、移植医療に精神科医が積極的でないという意見も認められた。この原因としては、第一が精神科医療の対象は精神障害であり、精神科診断のつかない正常心理への対応に不慣れな精神科医が存在すること、第二が腎移植におけるドナーの自由意思を確認する責任が重いことが考えられた。多職種連携の観点から総合病院でも臨床心理士やレシピエントコーディネーターを確保すること、ドナーの自由意思確認業務の内容を施設ごとの状況に応じて整理することが今後の課題と思われた。(著者抄録)