症例1は60歳代男性で、易疲労感があり、皮膚が弱く、化膿しやすかった。右上腕から右胸壁の痛み、熱感があり、整形外科を受診し、胸壁膿瘍と診断され、CTで両側副腎腫大を指摘された。ACTH、コルチゾルの日内変動は消失、尿中コルチゾルは軽度上昇し、CRH負荷試験で過剰反応を示す以外は各種負荷試験で無反応であった。CTで副腎は腫大し、ブドウの房状に結節が多発し、結節は淡い低吸収を示し、脂肪含有が疑われた。MRIのT1強調像out-of-phaseで副腎の信号は低下していた。アドステロールシンチでデキサメタゾン抑制下で両側副腎に強い集積を認め、ACTH-independent macronodular adrenal hyperplasia(AIMAH)が疑われ、両側副腎切除を施行した。病理組織所見よりAIMAHと診断した。症例2は50歳代の男性で、症例1の実弟であった。左腰痛、頻尿があり、CTで両側副腎の多発結節を指摘された。ACTH、コルチゾルの日内変動は消失、尿中コルチゾルは軽度上昇し、各種負荷試験で無反応であった。CTで副腎は腫大し、結節が多発し、結節は淡い低吸収を示し、脂肪含有が疑われた。MRIのT1強調像out-of-phaseで信号が低下していた。アドステロールシンチでデキサメタゾン抑制下で左優位に両側副腎に強く集積していた。左副腎全摘、右副腎部分切除を施行した。手術所見および病理組織所見よりAIMAHと診断した。