論文

2021年

包丁操作の「見える化」−包丁操作の熟練因子−

日本調理科学会大会研究発表要旨集
  • 由良 亮
  • ,
  • 藤岡 美香
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  • 萩原 勇人
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  • 楠瀬 千春

32
開始ページ
33
終了ページ
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11402/ajscs.32.0_33
出版者・発行元
日本調理科学会

【目的】包丁操作を含め手道具の取扱には熟練を要する。しかし、その妙は感覚的なものであり、その修得因子と呼べるものは明確とはなっていない。我々は、その因子を探るべく、包丁操作の詳細な時系列データを収集し、分析を行なってきた。そして、2019年度の報告において、SVM(サポートベクトルマシン)による機械学習を行い、包丁操作の修得にかかる因子の推定を行なったところ、上げ下げを行うピッチ、ひねりを行うロール、刃先のブレに対応するパラメータが選定された。本報告では、その分類器の解析により明らかとなった特徴点について報告する。

【方法】6軸モーションセンサーによる包丁操作の記録から、それぞれの平均値・標準偏差・4分位点、および周波数特性を含め、計234点の特徴量を算出した。この特徴量を元に、主成分分析を行い次元集約を行なった。これを機械学習であるSVMにより、学習者と熟練者を分類する学習を行なった。そして、その分類器および因子負荷量を解析した。

【結果・考察】学習に利用する主成分を増減し、学習者と熟練者の分類を行なったところ、第3成分以降は、分類に貢献していなかった。そこで、第1,2主成分を確認したところ、第1は切断方向の運動の得点が大きく、第2成分はブレの成分が正の得点、切断方向は負の得点だった。また、サポートベクトルを解析したところ、学習者の第1成分の因子負荷量は負であり、熟練者は正の割合となるが、第2成分は熟練者のみ負の値を取る場合が多かった。

以上のことから、第1成分が熟練の因子であり、第2成分が未熟の因子となる可能性が示された。本研究はJSPS科研費 JP17K19942の助成を受けたものです。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11402/ajscs.32.0_33
CiNii Research
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390289302761099648?lang=ja
ID情報
  • DOI : 10.11402/ajscs.32.0_33
  • CiNii Articles ID : 130008085693
  • CiNii Research ID : 1390289302761099648

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