MISC

2011年

肝嚢胞エタノール注入療法後に胆管狭窄をきたし肝左葉切除と肝外胆管切除を施行した1例

日本臨床外科学会雑誌
  • 北口 博士
  • ,
  • 中居 卓也
  • ,
  • 石川 原
  • ,
  • 竹山 宜典

72
1
開始ページ
149
終了ページ
152
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.3919/jjsa.72.149
出版者・発行元
Japan Surgical Association

症例は69歳,女性.心窩部痛を主訴に近医受診し,肝右葉に長径12cmの肝嚢胞が認められた.肝嚢胞にエタノール注入療法が行われたが,6カ月後に縮小した肝嚢胞に感染が生じ,膿瘍ドレナージ術が実施され肝嚢胞は消失した.しかし,その後発熱や腹痛を伴う胆管炎を繰り返すため当院紹介となった.MRCPとERCPで肝内胆管の拡張と左肝管および下部胆管の狭窄が認められた.胆管狭窄に対して胆道ステント治療を行ったが効果なく,肝外胆管を含む肝左葉を切除し,右肝管空腸吻合で胆道再建術を行った.病理組織学的所見では胆管狭窄部は著明な線維化と炎症細胞浸潤が認められていた.現在は胆管炎の再燃なく経過良好である.肝嚢胞に対する穿刺,エタノール注入は簡便な方法ではあるが重篤な副作用も認められ,その選択には細心の注意が必要である.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.3919/jjsa.72.149
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130004900319
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11189709
ID情報
  • DOI : 10.3919/jjsa.72.149
  • ISSN : 1345-2843
  • CiNii Articles ID : 130004900319
  • CiNii Books ID : AA11189709
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000283488188

エクスポート
BibTeX RIS