2013年1月
「事業再編の類型に関する理論的考察」
『一橋研究』
- 巻
- 37
- 号
- 3・4
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 15
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
研究の目的は,事業再編の類型について考え得る理論的バリエーションを示すことにある。事業再編に関する実証研究について日米比較をすると,日本企業の事業再編は,米国企業ほど事業の集中化傾向を示していない。このような結果は,単に充分な再編が行われなかったのではなく,そもそも企図する事業再編の目的が異なっている可能性が示唆される。トップ・マネジメントの戦略策定能力よりもミドル以下の現場の戦略創発能力を重視する傾向のある日本企業にとって,事業再編における各階層の役割という観点から本論は3つの再編類型を提示した。①トップが主体となり,内部市場のマネジメントとして事業再編が行われる場合,②ミドルが主体となり,各事業間シナジーを細かく調整するための再編作業を行う場合,③トップがコア事業について直接意思決定を行い,ミドルがコア事業と周辺事業の調整を担当する場合である。