MG感度が低い40歳代のMG検診にUSを上乗せした効果を検証したJ-STARTの結果を受けて,検出感度が低下する高濃度乳房(dense breast:DB)において,US検査などの補助的な画像診断を追加することが検討されている。しかしDBは50歳代以上でも一定の割合で存在すため他の年齢階級での効果や,乳房構成別の効果など未解明な課題も多い。近年DBの実態を検討する一助として撮影圧迫乳房厚(compressed breast thickness:CBT)が注目されている。DBでもCBT 30mm未満の薄い乳房は乳癌の検出率は低くないとする報告に基づき,精中機構の推奨する乳房構成判定のなかにCBTが組み込まれるなど,何らかの指標になることが期待される。今回の検討で,検診集団(一般集団)での乳房構成とCBTの関係には一定の傾向があることが判明した。しかし発見癌との関係は未検証であるため,検診層別化因子としての言及は困難であったが,今後発見癌や中間期癌などの臨床情報と照合することにより有用性について検討の余地があると考えられた。(著者抄録)