共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

開リーマン面のモジュライを用いた多変数関数論の新展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
19K03522
体系的課題番号
JP19K03522
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究では領域の擬凸性の影響による剛性定理を定式化し、その応用として種数正の開リーマン面の擬凸変動に対する同時一意化定理を改良・拡張することに挑む。本年度得られた研究成果は次の通りである。
1.主関数の変分公式と応用についてまとめた査読付論文が掲載された。
S.Hamano: Variational formulas for principal functions and applications, Advanced Lectures in Mathematics 49: Teichmuller Theory and Grothendieck-Teichmuller Theory (Ed. L.Ji, A.Papadopoulos, W.Su), p.29-50, Higher Education Press, Beijing, 2022.
本論文はサーベイである。山口博史氏は「西野の剛性定理」をファイバーがグリーン関数の存在しない族O_Gに属する開リーマン面の変形族へ拡張できることを証明された。研究代表者はグリーン関数の代わりに、垂直・水平截線領域への等角写像と密接な関係にあるリーマン面上に与えられた特異点・特徴的な境界挙動を持つ調和関(Sarioの主関数)を考察することで、Schifferスパンや調和スパンに対する新たな変分公式を確立し“理想境界が小さいリーマン面の族”の中で一番大きい族O_{AD}に属する単葉型リーマン面の同時一意化を成功した。
2.種数2以上の有限種数標識付き開リーマン面が、ジーゲル上半空間上の点を一意に定めることを明らかにした。また、種数2以上の有限種数標識付き開リーマン面から、同じ種数の閉リーマン面への等角埋め込み全体を考え、その全体がジーゲル上半空間上でどのような集合になっているかを特徴付けた。得られた成果を国内外の研究集会で発表した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K03522
ID情報
  • 課題番号 : 19K03522
  • 体系的課題番号 : JP19K03522

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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社会貢献活動

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